西十両2枚目で新入幕を狙う炎鵬(24=宮城野)が無心の粘りで3連勝、6勝3敗とした。

巨漢の徳勝龍に中に入らせてもらえず、突っ張られて後退し、土俵際でお尻が土に10センチほどまで落ちた。そこから、かえる跳びのように体勢を立て直し、相手の左足を両手で抱え込むと、鮮やかな足取りを決めた。

気づけば、勝っていた。本人は「覚えていない」と言い、相手が倒れていて「勝ったのがわかった」と不思議そう。「部屋に戻って(映像を)見ないと…。こんなに(取り口を)覚えていないのは初めてです」。抜群の集中力の裏返しだ。

初日から3連勝後、初めて幕内で相撲を取った4日目の琴恵光戦で土俵に右肩を強打。以後は連日治療を受けながら、患部をテーピングで固めての相撲が続くが、3連敗後に3連勝と巻き返してきた。「(右肩は)相撲を取ったら、また(状態が悪く)戻って。ひどくならないように気をつけています。でも、100%じゃない分、体がいつも以上に頑張ってくれる。いらない力が抜けている感じです」。勝ち越しへ。残り2番だ。