幕尻の西前頭17枚目徳勝龍(33=木瀬)が、記録ずくめの初優勝に王手をかけた。平幕で1敗同士の正代との直接対決を制し、単独トップに立った。

2敗の大関貴景勝が敗れ、優勝争いは1敗の徳勝龍と2敗の正代に絞られた。千秋楽は大関貴景勝との対戦が決まった。千秋楽結びに平幕が出場するのは昭和以降3度目で、幕尻が登場するのは史上初となった。優勝なら幕尻は20年ぶり史上2度目、奈良県勢は98年ぶり、再入幕は史上初、木瀬部屋でも初となる。

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<徳勝龍誠アラカルト>

◆本名 青木誠(あおき・まこと)。あだ名は「まこ」。家族は千恵夫人。

◆出身 1986年(昭61)8月22日、奈良市生まれ。育ちは橿原(かしはらし)市。

◆経歴 3歳から小6まで柔道。小4から地元の橿原市「けはや相撲クラブ」に通い、高校は高知・明徳義塾に相撲留学。近大4年で西日本選手権優勝。

◆角界入り 09年初場所で初土俵。11年九州場所で新十両、13年名古屋場所で新入幕。15年夏場所の西前頭4枚目が最高位。

◆サイズ 181センチ、188キロ。

◆しこ名の由来 母校の明徳義塾高から「徳」、18日に死去した恩師で近大相撲部監督の伊東勝人さんから「勝」。

◆稀勢の里と親交 荒磯親方(元横綱稀勢の里)の現役時代、巡業中にキャッチボールをすることも。今場所も数年前に荒磯親方から譲り受けたステテコを着用して帰路につく。

◆左四つ 10年5月に木瀬部屋が一時閉鎖となり、北の湖部屋預かりとなったときに、15年に亡くなった元横綱北の湖元親方から「お前は押し相撲だろうと思っているだろうが、左四つだ」と型の変更を薦められた。今場所も左四つの相撲を展開。