膝の大けがから関取復帰を目指す西三段目30枚目の宇良(27=木瀬)が、今場所の一番相撲に登場。同29枚目の益湊(24=阿武松)を、左を差して、かいなを返しながら一気に前に出る会心の相撲で寄り倒し、白星スタートを切った。

大阪・寝屋川出身のご当所だが、ケガによる全休で昨年、一昨年の春場所は土俵に立てなかった。地元で勇姿を見せたのは、3年前の17年春場所以来。新入幕で勝ち越し、郷里のファンを沸かせた。だが今場所は無観客。「大阪で相撲を取れて、うれしいです」と“復帰”は喜びつつ「静かだなって思いました。もともと(歓声など)できるだけ環境に右往左往されないように取り組んでいるので、その点は(無観客でも)大丈夫ですが、でもお客さんがいる方がうれしい」と正直な胸の内を明かした。

ただマイナスには考えないようにしている。「静かだけどアベマさんも(放送)してくれている。逆に、この状況でも(画面を通して)見られているという気持ちに変わりはない。(館内に観衆は)いないけど見てくれていると思うので一番一番、集中するだけです」と異例の場所でも、まずは勝ち越しを目指す。