開催に向けて粘ってきた相撲協会も、ついに中止の決断を下さざるを得なかった。2週間延期を決めた4月3日の臨時理事会後、八角理事長は「開催するにはどうすればいいのかというところで2週間の延期を決めた」と話すなど開催に強い意欲を示していた。しかし公益財団法人として、政府の方針に沿う対応は大前提。緊急事態宣言の延長を受け、強行開催するわけにはいかなかった。

また当時の臨時理事会で名古屋場所の2週間延期も決めたが、会場のドルフィンズアリーナの空き状況について芝田山広報部長は「今の状況で私は分からない」と明確にはしなかった。実際に他のイベントが予定されていたため開催は不可能で、当時から東京での開催は協会内で検討されていた可能性は高い。協会は通常開催に向けて感染拡大の防止に努め、さまざまな可能性を模索してきた。しかし現実は厳しく、残された道が今回の決断内容となった。【佐々木隆史】