綱とりに挑む大関貴景勝が、まさかの4連敗を喫した。宝富士を何とか突き放そうとするが、思うように突き放せず。右に動かながら右腕を手繰られると、左上手を許して万事休す。土俵際での上手投げに、力なく倒された。自己ワーストタイとなる初日から4連敗で、綱とりはさらに絶望的となった。
三役復帰を目指す大栄翔が、小結御嶽海を破って4連勝。立ち合いから回転の効いた、強烈な突き押しで攻め立てて圧倒した。初日からの3日連続大関撃破に続いて、三役力士を破って存在感を示した。
かど番の大関朝乃山は、得意の型を作って阿武咲を下した。立ち合いしっかりと踏み込むと、すかさず右を差して一気に前へ。ここまで3連勝中と勢いに乗る阿武咲に、何もさせずに寄り切った。星を五分に戻し、かど番脱出へ1歩進んだ。
同じくかど番の大関正代も、期待の若手の琴勝峰を圧倒。出足の鋭い立ち合いから、一気に寄り切って3勝目。連敗は許さなかった。
4日目の取組模様を写真で振り返ります。
十両
宇 良 | ○ | 押し出し | ● | 東白龍 |
幕内
豊 山 | ○ | 外掛け | ● | 東 龍 |
豊山「切り替えは勝った日にだけビールを飲んでいます。今日も飲みます」
豊昇龍 | ● | 寄り切り | ○ | 佐田の海 |
明瀬山 | ○ | 寄り切り | ● | 翠富士 |
翠富士「(新入幕で初黒星)まわしを取らせない意識でいったが、これで(十両から)4連敗。苦手意識があったかもしれない。(相手が)うまかったですね」
天空海 | ● | 寄り倒し | ○ | 琴ノ若 |
琴ノ若「しっかり攻めることを意識した。あわてないでいくことができた」
逸ノ城 | ○ | 押し出し | ● | 琴恵光 |
逸ノ城「相手の動きについていって足が前に出たのがよかった。今日は絶対に前に出ようと思っていたのでそれがよかったです」
照 強 | ○ | 押し出し | ● | 碧 山 |
明 生 | ○ | 押し出し | ● | 志摩ノ海 |
志摩ノ海「(立ち合い)お互いの頭が浮いたというか、そこから向こうの攻めが速かった。自分の脇が空いたのもあるんで。自分の相撲を取りきれるよう頑張りたい」
妙義龍 | ○ | 押し出し | ● | 翔 猿 |
竜 電 | ○ | 寄り切り | ● | 霧馬山 |
霧馬山「先にまわしを取ろうと思っていったが、立ち合い遅かった。ちょっと遅れた」
徳勝龍 | ○ | はたき込み | ● | 輝 |
栃ノ心 | ○ | 寄り切り | ● | 遠 藤 |
隠岐の海 | ● | 突き落とし | ○ | 玉 鷲 |
大栄翔 | ○ | 突き出し | ● | 御嶽海 |
大栄翔「(4連勝)迷いなく攻められたので良かった。自分は自分の相撲を取りきるだけ。それができたと思う。気持ちの面ではすごくいい気持ちで臨めている。それもプラスで、思い切っていきます」
照ノ富士 | ● | はたき込み | ○ | 高 安 |
高安「(照ノ富士との大関経験者対決に快勝)最後引いちゃったんで。そこは反省して、相撲の組み立てはよかった。いい緊張感でしっかり、自分のやりたいことができた」
北勝富士 | ● | はたき込み | ○ | 隆の勝 |
隆の勝「昨日(3日目)負けたんで、上体でいきすぎず、下半身をしっかりきめていこうと思っていった」
北勝富士「左おっつけがすっぽぬけた。内容は悪くない。体も動いている。切り替えて明日からも頑張る」
朝乃山 | ○ | 寄り切り | ● | 阿武咲 |
朝乃山「相手が3連勝で好調だったけど、今日も自分の相撲を取りきるだけ。がむしゃらに前に出ようと思い、相撲を取った。これが自分の相撲だと思う」
阿武咲「しっかり当たっていく意識だったが、右差されて抱え込まれてしまった。ああなったら不利ですね。自分の圧力が足りなかっただけです」
琴勝峰 | ● | 押し出し | ○ | 正 代 |
正代「連敗しなかったのと落ち着いてとれたのがよかった。初顔なんで緊張したが、自分の形に持ち込めた」
貴景勝 | ● | 上手投げ | ○ | 宝富士 |
宝富士「攻められたが必死に残しました。(うまく腕をたぐったのは)手が伸びたところにあったので。よく体が動いたと思う」