33歳のベテラン、東前頭2枚目の宝富士(伊勢ケ浜)が優勝争いを盛り上げる大仕事を果たした。

初日から8連勝と突っ走る大栄翔と対戦。立ち合いから激しく突き押ししてくる相手を左のおっつけでうまくかわし、最後は抜群のタイミングではたき込んだ。「昨日(8日目)がふがいない相撲だったんで立ち合い集中していけたのがよかった」。これで大栄翔には4連勝と、合口のよさも際立った。

この日は1年前に55歳で亡くなった恩師、近大相撲部元監督の伊東勝人さんの命日だった。「1年は早いな、もうそんなになるのかと。まだ生きている感じがするので」。得意とする左四つの形を指導してくれた。「心の中に監督はいます。いい報告ができると思います」としみじみ語った。