連勝街道をひた走ってきた平幕の大栄翔(27=追手風)に土が付いた。自らも押し相撲で横綱まで上り詰めた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、その“宿命”を指摘しながら相撲を分析した。

宝富士(33=伊勢ケ浜)がうまく距離を取り、やや半身に構えながら大栄翔の押しの威力を半減させたように見えた一番。大栄翔の胸中を同理事長は「(相手を)見ながら突いていたような気がする。宝富士は実力者というか、腰も重いし押すのは難しかっただろう。大栄翔からすれば、もう少し当たりたかったところだろう」と察した。

相手を一方的に押し出す相撲もあれば、相手のうまさに前のめりに倒されることもあるのが押し相撲の宿命といえる。「引かれたり、はたかれたりするのは仕方ない。引かれるタイミングが合ってしまえば落ちるし、タイミングがね」と解説。勝った相手を「今日は宝富士がうまかった」と評価し、出直しとなる大栄翔については「いつもの立ち合いをすればいい。あとの流れは離れて取る人は仕方ない」と迷いなく突き押しを貫く重要性を説いていた。