新三役から2場所連続で勝ち越し、大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)を、3場所連続の関脇で臨む隆の勝(26=常盤山)が5日、朝稽古後に報道陣の電話取材に応じ、近況を語った。

この日は、十両の貴源治、貴健斗の関取衆と15番ほど相撲を取って汗を流した。

16日に東京・台東区橋場から、板橋区前野町に移転した新しい部屋は、あらためて稽古場の広さを実感。「環境はいいですね。稽古がしやすいです。(土俵回りでも)すり足とか、いろいろ出来る」と充実した稽古環境を喜んでいる。

再入幕から3場所目の昨年春場所で初の三賞(敢闘賞)を受賞し、12勝3敗で優勝次点の成績を収めた。以降は5場所連続で勝ち越し中と、幕内上位に定着。この1年を「関脇で2場所連続勝ち越せている。力はついてきたかなと思う。(2ケタ勝利は)もちろん毎場所、思っている」と意欲を見せた。さらに上を目指すべく「体の芯の強さだったり、メンタル面もそうですけど、充実したときにいい成績が残せると思っているので、これから稽古して、いい状態で場所に持って行ければ」と精神面の安定を自分に求めた。

関脇を2場所務めて得られたことは「一番はメンタル。押しだけじゃ通用しない人もいるので、よく頭を使うようになったかもしれない」と柔軟性も備わったようだ。

上位には定着しているが、横綱が休場続きのため、対横綱は昨年7月場所の白鵬戦(突き落としで負け)1回しかない。今度こそ、両横綱の出場を期待したいところで、そうなれば「思いきり行くだけ。本当に胸を借りるつもりで思い切り行きます」と全精力をつぎ込む。その春場所に向けて「活躍して2ケタ勝てるように頑張って一生懸命、相撲を取っていきたいと思います」と、実直な人柄を示すような言葉を残した。