大関復帰を目指す関脇照ノ富士が勝ち越しを決めた。隆の勝との関脇対決。立ち合い、突き放したい相手の右腕をたぐって半身にすると素早く左上手を取って一気に寄り切った。

序二段で復帰した19年春場所から12場所連続の勝ち越し。大関復帰の勝ち星の目安、三役で3場所合計33勝にもあと1勝と“王手”をかけた。

優勝争い単独トップの小結高安は、7連敗中と苦手の大関正代に突き落とされて2敗目を喫した。

大関朝乃山が勝ち越して3敗を守った。照ノ富士、平幕の翔猿と3人が1差で高安を追う展開となった。

大関貴景勝は霧馬山を突き出して7勝目とし、かど番脱出に王手をかけた。


大相撲春場所 全取組詳細



英乃海寄り切り千代翔馬

☆英乃海「先に上手を取られたが、攻めることができてよかった。最近、ここ何場所かとったりとかで負けていたんで、手をあまり出さないよう気をつけていきました」

英乃海(左)は寄り切りで千代翔馬を破る(撮影・小沢裕)
英乃海(左)は寄り切りで千代翔馬を破る(撮影・小沢裕)

照強寄り切り魁聖
照強(左)を寄り切りで破る魁聖(撮影・河田真司)
照強(左)を寄り切りで破る魁聖(撮影・河田真司)

豊山押し倒し碧山

★豊山「くっついて前に出たかったが、強引なやつにやられた。体は動いている。まだまだ終わったわけじゃないんで残り4日、必死に相撲とりたい」

碧山(手前)に押し倒しで敗れる豊山(撮影・河田真司)
碧山(手前)に押し倒しで敗れる豊山(撮影・河田真司)

明瀬山寄り切り剣翔

★明瀬山「うまくやられました。相手が上手でした。結構疲れてますけど、みんな疲れてるんで。毎場所、こんな感じですね。いつも疲れてます」

剣翔(左)に寄り切りで敗れる明瀬山(撮影・河田真司)
剣翔(左)に寄り切りで敗れる明瀬山(撮影・河田真司)

千代の国寄り切り大奄美
千代の国を押し出しで破り、勝ち名乗りを受ける大奄美(撮影・河田真司)
千代の国を押し出しで破り、勝ち名乗りを受ける大奄美(撮影・河田真司)

琴恵光突き落とし翔猿
琴恵光(右)を突き落としで破った翔猿(撮影・丹羽敏通)
琴恵光(右)を突き落としで破った翔猿(撮影・丹羽敏通)
琴恵光(右)を突き落としで破った翔猿(撮影・丹羽敏通)
琴恵光(右)を突き落としで破った翔猿(撮影・丹羽敏通)

琴ノ若寄り切り竜電
琴ノ若を寄り切りで破り、土俵から引き揚げる竜電(撮影・河田真司)
琴ノ若を寄り切りで破り、土俵から引き揚げる竜電(撮影・河田真司)

翠富士押し倒し
翠富士(右)を押し倒しで破る輝(撮影・河田真司)
翠富士(右)を押し倒しで破る輝(撮影・河田真司)
翠富士(左)を押し倒しで破った輝(撮影・丹羽敏通)
翠富士(左)を押し倒しで破った輝(撮影・丹羽敏通)

栃ノ心叩き込み千代大龍

☆栃ノ心「落ち着いていますけど、なかなか勝てないね。(体は)厳しい状態になってきたがあと4日、頑張ります。(鶴竜の引退に)何度も胸を借りたし、対戦もした。私と同じ年代の人が辞めていくのは寂しいけど、いずれその時期がくるんでしょうね」

千代大龍(右)をはたき込みで破る栃ノ心(撮影・河田真司)
千代大龍(右)をはたき込みで破る栃ノ心(撮影・河田真司)
千代大龍(左)をはたき込みで破った栃ノ心(撮影・丹羽敏通)
千代大龍(左)をはたき込みで破った栃ノ心(撮影・丹羽敏通)

豊昇龍掬い投げ隠岐の海

☆豊昇龍「いい感じで当たったけど、すぐに差された。親方からも「差されないように」言われていたけど、勝って本当によかった。(引退の鶴竜に)場所に来て知ってびっくりした。合同稽古でも胸を出してもらったし、感謝いっぱい。その気持ちを持って、頑張っていきたい」

豊昇龍(手前左)はすくい投げで隠岐の海を破る(撮影・小沢裕)
豊昇龍(手前左)はすくい投げで隠岐の海を破る(撮影・小沢裕)

明生寄り切り逸ノ城

☆明生「集中して攻めることができた。どんどん調子が上がってきていると思う。(引退した鶴竜について)巡業でよく稽古を見ていただいて、声をかけていただいた横綱でした。(自分が)無理して稽古する場面が多かったので、そういうところをちゃんと見てくれて体を大事にしなさいと言われた。休むのも稽古のうちと言われた。1回対戦して負けているので、次はという思いはずっとありました」

明生(左)は寄り切りで逸ノ城を破る(撮影・小沢裕)
明生(左)は寄り切りで逸ノ城を破る(撮影・小沢裕)

玉鷲押し出し若隆景
玉鷲(右)を押し出しで破る若隆景(撮影・河田真司)
玉鷲(右)を押し出しで破る若隆景(撮影・河田真司)

宝富士押し出し志摩ノ海

☆宝富士「今日は気合入りました。昨日取組が終わって家帰ったら(近大で同期の)徳勝龍からラインがきた。『お互い星が上がっていないので頑張ろうよ』ときたので気合が入った。後半頑張って少しでも白星を伸ばせたら。(鶴竜引退について)自分がとやかく言うことじゃないが、苦しいところもあったんじゃないか。お疲れさまですと言いたいです」

志摩ノ海(左)を押し出しで破る宝富士(撮影・河田真司)
志摩ノ海(左)を押し出しで破る宝富士(撮影・河田真司)

阿武咲突き落とし大栄翔
阿武咲(右)を突き落としで破る大栄翔(撮影・河田真司)
阿武咲(右)を突き落としで破る大栄翔(撮影・河田真司)
阿武咲(右)を突き押しで攻める大栄翔(撮影・小沢裕)
阿武咲(右)を突き押しで攻める大栄翔(撮影・小沢裕)

北勝富士押し出し御嶽海

☆北勝富士(御嶽海には)連敗だったけど、ここで勝つことができて良かった。(22日に第1子となる長男が誕生)まだ実感はわかないけど、場所が終わったら(母子ともに)帰ってくる。そのときに実感というか、責任感が増すと思う」

御嶽海(右)を攻める北勝富士(撮影・河田真司)
御嶽海(右)を攻める北勝富士(撮影・河田真司)

照ノ富士寄り切り隆の勝

☆照ノ富士(立ち合い相手の右をたぐる)狙ってはないけど、たまたまそういう形になった。とりあえず33勝、そこから一番一番集中して頑張っていきたい。(同じモンゴル出身の鶴竜が引退したことについて)新弟子の頃からかわいがっていただいた。昔から尊敬していた横綱。最後にこうやって上がってきて、もう1度(鶴竜と)相撲を取りたいという気持ちはありました。それは残念。何事も真面目に取り組む横綱で、自分が言うのもあれだけど(鶴竜の取り組みから刺激を受けて)自分でもやらないといけないなという気持ちになった。寂しいけど、次の世代の自分らが頑張らないといけない」

隆の勝(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)
隆の勝(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

正代突き落とし高安

☆正代「立ち合いから左がのぞいて、勢いを相手に伝えられてよかった。(単独トップの高安への意識は)あまりそういう意識はなかった。思い切り圧力をかけられる立ち合いができるようにだけです。踏み込んで前に持っていく相撲がとれたんで、残り4日にいい影響が与えられると思う」

正代(左)に突き落としで敗れる高安(撮影・河田真司)
正代(左)に突き落としで敗れる高安(撮影・河田真司)
高安を突き落としで破った正代(撮影・丹羽敏通)
高安を突き落としで破った正代(撮影・丹羽敏通)

貴景勝突き出し霧馬山

☆貴景勝「一生懸命やることしかないので、とにかく集中して取りたいと思っている。(鶴竜が引退)知らなかったです。いま知ったので、簡単に(言葉は)出てこないけど、巡業で横綱が一生懸命体を動かしていたら自分たちもやらなきゃと思う。言葉ではなくて、いろんなものを勉強させてもらいました」

霧馬山(右)を突き出しで破る貴景勝。土俵下中央は朝乃山(撮影・河田真司)
霧馬山(右)を突き出しで破る貴景勝。土俵下中央は朝乃山(撮影・河田真司)
霧馬山を突き出しで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)
霧馬山を突き出しで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)

妙義龍寄り切り朝乃山
朝乃山(左)は寄り切りで妙義龍を破る(撮影・小沢裕)
朝乃山(左)は寄り切りで妙義龍を破る(撮影・小沢裕)
朝乃山に敗れ、土俵から引き揚げる妙義龍(撮影・河田真司)
朝乃山に敗れ、土俵から引き揚げる妙義龍(撮影・河田真司)