西十両2枚目の宇良(29=木瀬)が瞬殺で勝ち越しを決め、17年九州場所以来の再入幕に前進した。

過去4勝0敗と合口のいい旭秀鵬の右からの張り差し狙いを読み切っていた。ボクシングでいえば右フックを鮮やかなダッキングでかわし、バランスを崩した相手をあっさり突き落とした。「かわすのはよく反応できたかなと思う。それで勝負が決まったのは、自分でも予想外だった」。

まだ確実な星とは言えないが、約4年ぶりの幕内復帰への権利は得た。両膝の大けがで19年九州場所、西序二段106枚目からの再出発。これで9場所連続の勝ち越しとなった。

「(勝ち越しは)うれしいですね。本当に、ずっと不安だったんで。いつも7勝してからのあと1勝が遠く感じる。今日、勝ち越せてよかった」と話し、「まだ終わっていない。何としてもあと1勝あげたい。千秋楽終わるまでがあれなんで、さらに気を引き締めていきたい」と表情が緩むことはなかった。