関脇御嶽海(29=出羽海)が、横綱照ノ富士を破り13勝2敗とし、19年秋場所以来3度目の優勝を決めた。

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負ければともえ戦による優勝決定戦に持ち込まれたが、本割で勝って堂々の優勝。直近では7連敗中と苦手としてきた照ノ富士だったが、勝負強さを見せた。

地元からの声援に後押しされた。終盤戦になり、出身の長野・上松町の「あげまつ元気会」から贈られた新しい化粧まわしを締めた。同町は人口約4000人の小さな町だが、木曽川沿いには国の史跡名勝天然記念物に指定されている「寝覚めの床」がある。

木曽川の流れが長い年月をかけて花こう岩の岩盤を浸食して作り上げたもので、浦島太郎が竜宮城から帰って来た後に、晩年を過ごしたという伝説が残る。化粧まわしには、浦島太郎扮(ふん)する同町キャラクター「上松太郎」がタイを釣り上げる図柄があしらわれ、優勝を期して贈ったものだった。

東洋大から入門した時はやんちゃだった性格も、自覚が芽生えてきた。師匠の出羽海親方(元前頭小城ノ花)は、精神的な成長を口にする。「最近、若い子たちに相撲をいろいろ教えたり、声かけをする姿はよく見受けられる。若い時とはそういうところも違うかな」という。部屋での関取は自身だけだが、所属力士のほとんどが兄弟子。それでも弟弟子も少しずつ増えてきて「そういう意味では兄貴的存在なのかな。その辺がちょっと変わったかなと思います」と話した。

15年春場所で初土俵を踏んで7年がたち、心身ともに成熟した御嶽海が賜杯を抱いた。

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