大相撲春場所(13日初日、エディオンアリーナ大阪)を新小結で迎える豊昇龍(22=立浪)に、叔父が果たせなかった関脇以下での優勝に期待が懸かる。9日、大阪市内での稽古後に報道陣の電話取材に応じた。叔父で第68代横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(41)は、大関2場所目の02年九州場所で初優勝。新三役場所の目標は「まずは勝ち越し」と控えめながら、「もちろん優勝したい気持ちはある」と意欲をのぞかせた。

その叔父から、前日8日に電話で激励の言葉ももらった。「『頑張ってくれ。上位の人たちと全員対戦したので、どんな人がどんな相撲を取るか分かってるでしょ。あとは君次第だよ』と。優しかったですね」。尊敬する叔父の言葉が身に染みた。

上位総当たりは、東前頭筆頭だった昨年秋場所以来になる。同場所はへんとう線が腫れた影響もあり休場、再出場を経験。5勝止まりに終わった。「めちゃくちゃ悔しかった。今場所は(同場所で)できなかったことを全部やりたい」と、雪辱へ言葉に熱がこもる。

先場所は自己最多の11勝を挙げて、今場所から兄弟子の明生を抜いて部屋頭となった。「自分たちが頑張れば、若い衆が自分たちを見てもっと頑張ると思う」。地位とともに、責任も増していく。【佐藤礼征】