優勝を争う3力士がいずれも敗れる大荒れの14日目となった。

横綱照ノ富士は大関正代にはたき込まれて、3敗目を喫した。今場所は初日に阿炎に敗れ、序盤戦で2敗。若元春との一番が象徴するように苦戦した長い相撲も目立ったが、終盤に向けて横綱本来の力を発揮していたが、思わぬ落とし穴にはまった。

西前頭2枚目の逸ノ城は明生に完敗で3敗も、横綱の黒星で優勝争いトップに踏みとどまった。大関貴景勝も若隆景に敗れて4敗目となったが、結びで横綱が敗れて何とか逆転優勝の可能性をつなぎとめた。


・優勝争い

【3敗】照ノ富士、逸ノ城

【4敗】貴景勝


【イラスト】新型コロナ感染による各部屋の休場力士数
【イラスト】新型コロナ感染による各部屋の休場力士数

14日目の取組の模様を写真で振り返ります。


大相撲名古屋場所 全取組結果


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幕内


阿武咲(9勝5敗)寄り切り錦富士(9勝5敗)

☆阿武咲 立ち合いどうやってくるんだろうと思いましたけど、その中でも落ち着いて相撲を取れました。(高校時代の同期の錦富士との対戦について)純粋にうれしかったですね。10年ぶりくらいですか。自分が高校中退してからは取ってないので。自分らが相撲を取ることによって、(故郷の)青森県への恩返しになる。(千秋楽で2桁白星がかかるが)意識せず最後思い切って良い相撲を取れるように頑張ります。

★錦富士 (2桁勝利お預けも)2桁より明日が最後。自分の相撲をとって終わりたいです。

阿武咲(左)は錦富士を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
阿武咲(左)は錦富士を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

妙義龍(9勝5敗)寄り切り竜電(12勝2敗)
竜電は妙義龍(左)を寄り切りで破り十両優勝を決める(撮影・小沢裕)
竜電は妙義龍(左)を寄り切りで破り十両優勝を決める(撮影・小沢裕)

照強(5勝9敗)突き出し朝乃若(7勝7敗)
朝乃若(左)は突き出しで照強を破る(撮影・小沢裕)
朝乃若(左)は突き出しで照強を破る(撮影・小沢裕)

英乃海(5勝9敗)押し出し宝富士(8勝6敗)

★英乃海 立ち合いから相手の形になってしまった。下からはさみつけられるような形になったので、無理でしたね。(千秋楽について)今場所の最後なので、精いっぱい自分の相撲を取れるように頑張りたいです。

☆宝富士 (3場所ぶり勝ち越しに)ホッとしました、とりあえず。後半しっかり自分の相撲をとれた。それがよかったと思います。(あと一番)勝ち越したので最後まで自分の相撲をとって勝ち切れたらと思う。

宝富士(右)は英乃海を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
宝富士(右)は英乃海を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

王鵬(8勝6敗)寄り切り翠富士(9勝5敗)
翠富士(左)は王鵬を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
翠富士(左)は王鵬を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

志摩ノ海(1勝13敗)押し出し(7勝7敗)
立合いで志摩ノ海(左)を攻める輝(撮影・小沢裕)
立合いで志摩ノ海(左)を攻める輝(撮影・小沢裕)

隠岐の海(4勝10敗)突き落とし豊山(7勝7敗)

☆豊山 (物言いがついたが)勝ち負けより、引いちゃったなというのが一番です。いつも差されて負けている。しっかり踏み込んでくっついていった。中盤でつまずいてここまでくるのに時間かかりましたけど、最後笑って終われたらいいなと思います。

豊山(左)は隠岐の海を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
豊山(左)は隠岐の海を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

碧山(6勝8敗)突き落とし千代翔馬(7勝7敗)
千代翔馬(右)は碧山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
千代翔馬(右)は碧山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

千代丸(5勝9敗)寄り切り佐田の海(6勝8敗)

☆佐田の海 合口の悪い相手だったので勝ててよかったです。一番たりともむだな一番はない。負け越したとはいえ、その後の相撲が大事と言われてますんで。

佐田の海(左)は千代丸を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
佐田の海(左)は千代丸を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

北勝富士(6勝8敗)押し出し宇良(7勝7敗)

☆宇良 (相撲内容は)ちょっと分からないです。(7勝7敗で千秋楽)勝ち越し目指して頑張りたいです。

北勝富士(右)を押し出しで破る宇良(撮影・和賀正仁)
北勝富士(右)を押し出しで破る宇良(撮影・和賀正仁)

明生(8勝6敗)寄り切り逸ノ城(11勝3敗)

☆明生 しっかり前に出ようという気持ちで立ち合いいきました。(優勝争いの逸ノ城を下すも)そこは気にせずに自分の相撲でといきました。

逸ノ城(手前)は明生に寄り切りで敗れる(撮影・小沢裕)
逸ノ城(手前)は明生に寄り切りで敗れる(撮影・小沢裕)
3敗目を喫し花道を引き揚げる逸ノ城(撮影・小沢裕)
3敗目を喫し花道を引き揚げる逸ノ城(撮影・小沢裕)

霧馬山(7勝7敗)寄り倒し若元春(5勝9敗)

★若元春 最終的に負けたけど体は動いていた。悪い内容ではなかったと思います。(物言い)どちらに軍配が上がったかも分からなかったので。もう一丁かなと思いました。(取り直しは)左四つに組んでもっとがっちりいけばよかったが巻きかえられて体を入れ替えられてしまった。一方的に負けたわけじゃないんで。明日も出し切れるように頑張りたい。

互いに投げを打つ若元春(左)と霧馬山(撮影・小沢裕)
互いに投げを打つ若元春(左)と霧馬山(撮影・小沢裕)
互いに投げを打つ若元春(左)と霧馬山(撮影・小沢裕)
互いに投げを打つ若元春(左)と霧馬山(撮影・小沢裕)
互いに投げを打ち土俵に落ちる若元春(左)と霧馬山(撮影・小沢裕)
互いに投げを打ち土俵に落ちる若元春(左)と霧馬山(撮影・小沢裕)
若元春と霧馬山の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・小沢裕)
若元春と霧馬山の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・小沢裕)
取り直しの一番で霧馬山は若元春(左)を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)
取り直しの一番で霧馬山は若元春(左)を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)
取り直しの一番で霧馬山(手前)は若元春を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)
取り直しの一番で霧馬山(手前)は若元春を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)

豊昇龍(9勝5敗)上手出し投げ栃ノ心(7勝7敗)
豊昇龍は栃ノ心(右)を上手出し投げで破る(撮影・小沢裕)
豊昇龍は栃ノ心(右)を上手出し投げで破る(撮影・小沢裕)

千代大龍(6勝8敗)はたき込み阿炎(8勝6敗)

☆阿炎 (勝ち越しに)あまり気にしていない。まだ場所は終わっていないので。自分の力のなさを感じているが、動けてはいる。パワーに関してはじっくりつけていきたいと思っているので、今は明日の相撲に集中したい。

阿炎は千代大龍(手前左)をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)
阿炎は千代大龍(手前左)をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

貴景勝(10勝4敗)送り出し若隆景(8勝6敗)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)
貴景勝(左)を送り出しで破る若隆景(撮影・和賀正仁)

照ノ富士(11勝3敗)引き落とし正代(9勝5敗)

☆正代 純粋に勝てたことがうれしいです。(横綱には6連敗中だった)負けが続いてたんで、どこかで勝ちたいなという気持ちはありました。低く当たってまわしを取られないように。取られると横綱の相撲になるんで。(最後は)狙ったわけじゃない。自然と体が動いたと思う。勝ち越した後に気を抜いたような相撲だけはとりたくないと思っていた。千秋楽までやりきろうという気持ちが、こういう結果につながったと思う。

正代(左)は照ノ富士を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
正代(左)は照ノ富士を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
正代(左)は照ノ富士を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
正代(左)は照ノ富士を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
正代(左)は照ノ富士を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
正代(左)は照ノ富士を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
照ノ富士を引き落としで破り懸賞金を手にする正代(撮影・小沢裕)
照ノ富士を引き落としで破り懸賞金を手にする正代(撮影・小沢裕)