大相撲の第73代横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が9日、東京・江東区の富岡八幡宮で行われた「横綱力士碑刻名奉告祭」に出席し、歴代横綱のしこ名が彫られている石碑に自らの名を刻んだ。

「歴代の横綱たちと肩を並べることができたというのは、あらためて感じました」と感慨深げに話した。

21年名古屋場所後に横綱昇進を果たしたが、新型コロナ感染拡大の影響によって開催が先延ばしとなっていた。2年越しの刻名報告祭となったが「世の中こういう状況だから仕方がないこと。できることをみんな精いっぱいやってきて、ちょっとずつ元に戻りつつあるのかなと思う」と話した。

今夏は19年12月の冬巡業以来に巡業が再開するなど、角界も日常に向かって進んでいる。首都圏5カ所で開催される夏巡業も残すところあと2日。「足を運んでくれるお客さんがいる訳ですから。お相撲さんの仕事は土俵の上でちゃんといい成績を残して、皆さんを喜ばすことしかできないので精いっぱい頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

横綱に昇進してから1年がたった。昇進後は3度優勝するなど、横綱としての責務を果たしている。この1年を振り返り「横綱になるまではいろんなことを考えず、一生懸命強くなりたい、上に番付があるからその番付にないたいという気持ちでずっとやってきた」とがむしゃらだったことを明かした。そして昇進後は「横綱になったならなったで、やらなくちゃいけない責任、横綱としての行動とか、そういったいろんなことを学びつつ。師匠も横綱ですから、師匠といろいろなことを相談して頑張っていきたいなと思っています」と話した。