日本相撲協会審判部は30日、福岡市内で来年1月の大相撲初場所(8日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、大関経験者の朝乃山(28=高砂)が十両復帰を果たした。

初場所では関取として、15日間土俵に上がる。朝乃山は協会と通じて「再び十両に昇進させて頂き、素直にうれしく思います。支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れずに、これからも日々精進してまいります」とコメントした。

待望の関取復帰だ。朝乃山は昨年、協会作成の新型コロナ感染対策ガイドライン違反をし、同年名古屋場所から6場所出場停止処分を受けた。大関だった番付は、復帰した今年7月の名古屋場所では三段目まで陥落。その名古屋場所では全勝優勝し、9月の秋場所は全勝優勝なら十両復帰が確実となる東幕下15枚目まで昇進したが、6勝1敗で最速での十両復帰を逃した。

11月の九州場所は東幕下4枚目で臨み、秋場所同様に六番相撲で負けて6勝1敗で終えた。七番相撲を終えた際には「全勝優勝で文句なしで(十両に)上がりたかったので目標を達成できなくて悔しいです」と肩を落としていたが、その後の周囲の成績により、十両復帰となった。

また、同場所の四番相撲では十両徳勝龍と対戦し、復帰後初めて十両の土俵に上がった。大関だった21年夏場所11日目以来、548日ぶりの大銀杏(おおいちょう)姿で白星。取組後には「今日は大銀杏で黒まわしだった。来場所は大銀杏に締め込みで15日間を戦いたいです」と関取復帰への思いをさらに高めていた。

復帰以降、常々「本土俵に上がれることに感謝の思いを持って」と言い続けてきた朝乃山。ひとまず十両復帰を果たし、支えてくれた関係者への一つの恩返しになったのは間違いない。しかし、本人も周囲もまだまだ、さらに上の番付を見ている。次は十両で結果を出し、まずは幕内を目指す。

また、湘南乃海の新十両昇進と白鷹山の十両復帰も決まった。