日本相撲協会は30日、福岡市内で来年1月の大相撲初場所(8日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、湘南乃海(24=高田川、本名・谷松将人、神奈川県大磯町出身)の新十両昇進と、大関経験者の朝乃山(28=高砂、本名・石橋広暉、富山市出身)と白鷹山(27=高田川、本名・斉藤亨将、山形県白鷹町出身)の再十両昇進を決めた。

さきの秋場所で西幕下筆頭の湘南乃海は5勝2敗、東幕下4枚目の朝乃山は6勝1敗の成績を収めた。

湘南乃海は中学を卒業後、14年春場所で初土俵を踏んだ、たたき上げ力士。しこ名は「湘南乃海桃太郎」で現在まで変わらない。2年半で初めて幕下に上がり、1度だけ三段目に降格したが、幕下に定着。その後は、しばらく幕下上位の壁にはね返され続けてきたが、幕下入りから6年、初土俵から約9年を要して念願の関取の座をものにした。

九州場所で湘南乃海は、1番相撲から4連勝しストレートで勝ち越しを決めた。対馬洋、豪ノ山と十両相手の白星も含まれ、朝乃山とは前場所に続き4戦全勝同士の5番相撲で対戦し、寄り切りで敗れた。192・5センチ、176・2キロの恵まれた体で、ここまで大きなケガ、病気もなく初土俵から休場はなし。通算成績は198勝159敗。

朝乃山は、19年夏場所で幕内初優勝を飾り、翌20年3月の春場所後に大関昇進を果たした。だが、日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、1年後の21年7月の名古屋場所から、6場所出場停止処分を受けた。本場所の土俵復帰は今年の名古屋場所で、番付は西三段目22枚目まで沈んでいた。この場所は7戦全勝優勝を果たし、翌秋場所は東幕下15枚目で6勝1敗。そして九州場所で前述の成績を残し、休場処分中だった今年1月の初場所(番付は東十両4枚目)以来の十両復帰を果たした。

白鷹山は11年5月の技量審査場所で初土俵。18年夏場所で新十両昇進を果たした。ケガで幕下への陥落と十両復帰を繰り返したが、5場所ぶりに関取の座を取り戻した。