大相撲秋場所で4度目の優勝を飾った大関貴景勝(27=常盤山)が、基礎の大切さを説いた。4日、東京・大田区総合体育館で秋巡業が行われ、土俵周りで四股など基礎運動で汗を流した。「いきなり土俵を上がるとケガをするから、体を戻すところから」と狙いを説明。綱とりの期待がかかる九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)に向けて基礎を徹底し土台を作り上げ、徐々に場所で戦える体を作っていく。

初日を迎えた秋巡業では計22日間の日程で開催される予定というハードスケジュールをこなす。だからこそ、自分のペースを崩さず調整に励むことができるかがカギになる。「僕の場合は基礎ができていないといけない。基礎さえできていれば番数は少なくても、やれる自信がある」とかみしめ、四股、すり足、てっぽうなど基礎運動から始める意図を明かした。

秋場所は千秋楽の決定戦で熱海富士を破って逆転優勝。11勝4敗での優勝は1場所15日制が定着した1949年5月場所以降で4度目となる最少白星により審判部は綱とりへの慎重姿勢もあるが、場所後の横綱審議委員会(横審)の定例会合後、山内昌之委員長は「多くの条件や前提が満たされた場合、綱とりの期待が懸かる場所」と明言。諮問機関の後押しを得た形となった。

貴景勝は「(最初の綱とりは)明らかに気負っていた。休まなきゃいけないところで休みが怖くて」と振り返り、過去の反省を糧に「自分の体と向き合って忠実にやっていきたい」と話した。【平山連】