大相撲元関脇寺尾の錣山親方(本名・福薗好文)の訃報から一夜明けた18日、錣山部屋付き親方の立田川親方(元小結豊真将)は「ありがとうございました。感謝の気持ちしかないです」と声を震わせた。

恩師との思い出がとめどなくあふれてきている中で、最も印象に残っているのが入門時に交わした約束だ。同期生は約80人といた中で不安を隠しきれなかった。そんな様子を見かねたのか、錣山親方から「お前は今この80人の中で一番弱いかも知れないが、俺と一緒に頑張ってみんなを抜かして一番上に立とう」と励まされた。その言葉で奮い立つことができたと振り返った。

今年の九州場所前に電話をした際に、病床の錣山親方から「部屋のことを頼むぞ」と言われた。角界入りを導いてくれた恩師が天国に旅立ち、今後の部屋の運営がどうなるのか注目される。「おかみさんと話し合っていきます」と明言を避けたが、根本は受け継がれる。「師匠に精神面をすごく教えてもらいました。気迫、気持ち、相撲に対する情熱というものを教えてもらいました。そういうことを弟子たちにも伝えていきたい」と誓った。