西前頭4枚目の正代が横綱照ノ富士を破り、4勝3敗と白星を先行させた。「止まってしまうと厳しい。あの形になるしかなかった」と立ち合いから鋭い出足を見せた。足を動かし続け、もろ差しにすると、優位な体勢から一気に土俵際に追いつめて、自身2つ目の金星を挙げた。「座布団が飛び始めたところで、初めて実感が湧いた」。会心の相撲内容を振り返り、「久しぶりに終始攻めた相撲だったんじゃないかと」とうなずいた。

17年名古屋場所で日馬富士を倒して以来、約6年半ぶりとなる平幕での横綱撃破となった。三役時代には横綱白鵬を2度破るなどしていたが「随分と間が空いたな」と感慨深そうに当時を思い返した。22年九州場所まで大関だった正代は「とりあえず今日は疲れました」と安堵(あんど)の表情を見せ、余韻に浸った。