いざ大豊時代、ゆくゆくは1強時代へ。大相撲夏場所で2場所連続4度目の優勝を飾った大関大の里(24=二所ノ関)が、千秋楽から一夜明けた26日、茨城・阿見町の部屋で会見。千秋楽に敗れて初の全勝優勝を阻まれた、横綱豊昇龍への雪辱をにじませた。この日は東京・両国国技館で横綱審議委員会(横審)の定例会合が行われ、満場一致で横綱に推薦された。来場所は東西横綱が並び立つことが確定。当面続く「大豊時代」から、苦手を克服し、1強時代を目指していく。

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優勝や2日後に横綱昇進が正式決定する喜びより、声のトーンが強まった。一夜明け会見に臨んだ大の里の脳裏には、前日25日の千秋楽で敗れた取組の残像が離れていないようだった。大の里にとって豊昇龍の存在は-。そう問われると、言葉が止まらなくなった。

大の里 (豊昇龍が)横綱に先に上がって、悔しさがあった。伝達式、明治神宮で土俵入りしているニュースを、1月場所が終わって新潟に少し息抜きに行っている時に見て「自分は何をしているんだろう」と。すごい悔しかった。それが僕に火を付けた。ライバルというか、目標というか、越えなければならない壁。

1つの不戦勝を除き、豊昇龍には1勝6敗と、極端に合口が悪い。夏場所も全勝優勝目前で、番付最高位の意地を見せられた形だ。

大の里 気持ちの持ちようが大事。また1つ宿題、課題ができた。全勝優勝できるよう、気持ちの持ちようをコントロールしたい。

この日、横審から満場一致で推薦され、昇進が確定した。来場所からは「大豊時代」が幕開け。勢いに乗った大の里を、大関以下が容易に止められないのは、今場所が証明している。それでも全勝優勝を阻まれた豊昇龍に、冷静さと、時には相手に負けない熱い気持ちで対抗するつもりだ。

この日は、豊昇龍への対抗心を前面に出した午前中の会見の後、横審の推薦を受けて夕方にもう1度、会見した。横綱昇進が確定し「本当にうれしい。(午前中よりも)少しは横綱に対しての実感がわいた」と語った。昇進が正式決定する28日の伝達式で注目の口上は「今のところまだ特には考えていない」という。大関昇進の口上で用いた「唯一無二」は「もう使ってしまったので」と、新たな言葉を用いる考えをほのめかした。大豊時代から早期決別し“大の里時代”到来を目指す口上を、披露するかもしれない。【高田文太】