<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇27日◇IGアリーナ
東前頭15枚目の琴勝峰(25=佐渡ケ嶽)が、初優勝を果たした。
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緊張が最高潮に高まる場面でも、常に表情を変えない。結婚披露宴では、スピーチしたほぼ全員が「口数の少ない」「寡黙」と、口をそろえるほど、琴勝峰のもの静かな言動は筋金入りだ。埼玉栄高の同級生で、小学生のころから仲の良かった十両栃大海が、高校3年時に見た忍耐強さを明かした。全国高校総体の直前の稽古で、琴勝峰は左足親指と人さし指の間が、バカッと大きく割けたという。栃大海は「流血がすごくて病院で縫ってもらって。試合に出られる状況じゃなかった」と、振り返った。
それでも琴勝峰は、少し顔をしかめるぐらいで平然としており、周囲ばかりが心配した。全国高校総体は団体戦準決勝で敗れたが、琴勝峰は「大将」として全試合に出場。しかも「同点でも、最後にあいつが勝ってくれる安心感があった。インターハイ準決勝も、あいつに回る前に負けてしまった」。野球で例えると、頼りになる4番打者のような存在だと振り返った。
栃大海は「北海道巡業の朝、一緒に市場に行った時は楽しそうだった。自分には分かる。静かにカニを食べていたけど(笑い)」と振り返った。にじみ出る喜怒哀楽が、琴勝峰の魅力として浸透する日は近いかもしれない。【高田文太】

