師匠の伊勢ケ浜親方(34=元横綱照ノ富士)から暴力行為を受けた西前頭7枚目の伯乃富士(22)が、痛めていた左足親指を負傷する悪夢に見舞われた。
東前頭7枚目の欧勝馬(鳴戸)に、はたき込みで敗れた。最後の場面で土俵際で左足親指をひねり、左足から落ちた瞬間は思わず負傷箇所に手をやり、顔をゆがめた。物言いがつく際どい勝負だったが、軍配通りとなった。
支度部屋では騒動後、初めて取材に応じた。
「先場所、宇良関とやった時と同じところです。こう(親指が土俵に)入っちゃって。それまでは(痛みは)大丈夫でしたが、さっきのでちょっと…」
初場所12日目の宇良戦で左足親指を負傷し、13日目から休場した。診断名は左母趾MTP側副靱帯(じんたい)損傷で、約4週間の安静加療を要すると発表されていた。その同じ箇所を痛めた。
今回、大阪入りが直前になったのは、左足親指の治療などを東京で行っていたためで、「関取衆と胸を合わせることはできなかったので、トレーニングはしていた。足のリハビリなど、やれることはやっていた」という。
2月に師匠から暴力行為を受け、その師匠への処分は日本相撲協会が調査中のため、今場所は師匠が暫定措置で休場となった。
ただ、大阪市内の部屋では指導も受けており、「昨日は師匠と、やってきた相撲をやりきりますと話した」。
今回の問題について聞かれた伯乃富士は、数秒間の沈黙を経て「ご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ありません」とコメント。暴力行為を受けた立場だが、神妙な表情になった。
鳥取・倉吉市出身の伯乃富士は、2022年12月に宮城野部屋に入門。「令和の怪物」と呼ばれ、24年4月に伊勢ケ浜部屋に転籍し、25年九州場所の前頭筆頭が過去最高位。その後にしこ名を「伯桜鵬」から現在の伯乃富士に改名。
25年の名古屋、秋場所と連続で横綱大の里から金星を挙げるなど、現在8場所連続で前頭を務め、三役にも期待されている。
◆今回の騒動 日刊スポーツが伊勢ケ浜親方による伯乃富士への暴力行為を報じた2月27日、取材に応じた親方は事実関係を認めた。この行為を親方自らが日本相撲協会に報告し、同24日に伯乃富士、事情を知る前頭錦富士の3人が、事情聴取を受けた。現在は詳細を調査中で場所後に処分が出る見通しも、親方には春場所休場の暫定措置が取られ、部屋内での指導のみ許されている。

