[ 2014年6月28日7時4分

 紙面から ]解散式を終え成田市内のホテルから引き揚げる香川(撮影・江口和貴)

 W杯ブラジル大会1次リーグで敗退した日本代表の主力3人が、米国で敵味方に分かれて再起を図る。FW本田圭佑(28=ACミラン)、FW香川真司(25=マンチェスターU)、DF長友佑都(27=インテルミラノ)の3人がそれぞれの所属クラブの一員として、米国内で開催される国際親善大会「インターナショナル

 チャンピオンズカップ」に出場する。ザックジャパンの象徴でもあった3人は、同じ舞台から4年後への第1歩を踏み出す。

 チームスーツ姿で帰国した長友と香川も、短かったブラジルでの戦いを終え休暇に入った。25日(日本時間26日)にブラジルでひと足早くチームを離れた本田は日本には戻らず、海外で休暇と自主トレを行う予定。偶然だが、3人とも米国内で同じ大会に出場し再起を図る。

 3人が所属するビッグクラブは7月末に米国に遠征し、親善大会に出る。出場8クラブは誰もが知る豪華な顔ぶれ。2組に分かれ1次リーグそれぞれ3試合を戦い、両組の1位が決勝に進む。米国各地で計13試合が予定されている。3人はこの大会でセリエA、プレミアの両リーグ開幕に向けた準備を整える。

 香川はマンUから例年通り約2週間の休暇を与えられた。本田と長友はクラブとの調整次第だがミランは7月9日、インテルは同7日にそれぞれ始動する。7月上旬に所属クラブに戻り14-15年シーズンに向け、気持ちを切り替えて準備を進める。

 同大会1次リーグはインテルとマンUが同組。長友対香川の実現が濃厚で、勝ち上がりによってどちらかがミラン本田と対決する可能性がある。昨季低迷したミランとマンUは新監督を迎え新たなスタートを切る。本田と香川にとっては、定位置確保のための大事な機会。敵味方に分かれて火花を散らし、W杯のショックから戦う姿勢を取り戻す貴重な舞台になる。

 この4年間で、過去の日本人が誰も手の届かなかったビッグクラブ移籍を果たした3人は、間違いなくザックジャパンの希望だった。公私ともに深い交流があり「W杯優勝」へ共闘してきた。しかし何も手にすることはできなかった。本田は25日に「1度ゼロにして自問自答しながら、何を努力すべきなのかということから考えないと」と話している。自由とチャンスの国アメリカ-。再起には最適な場が用意されている。