AKB48柏木由紀(32)が20日、東京・日本武道館で行われたシングル「アイドルなんかじゃなかったら」発売記念コンサートで、グループ卒業を発表した。来年3月16日に横浜市内のぴあアリーナMMで卒業コンサートを開催予定で、同4月中の卒業を予定している。

06年に加入し、07年4月に劇場デビューした3期生。グループ最年長にして、在籍は歴代最長の6000日を超える“現役レジェンド”が、グループ卒業を決断した。

柏木は終盤で「私、柏木由紀はAKB48を卒業しようと思います」と切り出しすと、会場がとよめき、悲鳴も上がった。「そろそろかなと思っていた方ももいたと思うけれど、やっと卒業する決心がつきました。AKB48の一員でいる毎日があまりにも楽しくて、気が付いたらずいぶん長いこと慕ってくれる後輩やファンの皆さんに甘えてきてしまった」と振り返った。決断の背景には後輩の成長があり、「後輩というより仲間だと思うし、チームメートと呼べる存在になった。今のAKBで卒業がしたいと、心から思いました。今のAKB48が一番大好きです」と感謝と信頼を語った。

総監督向井地美音(25)は「ずーっとゆきりんさんはAKB48にいてくれるんじゃないかと思っていた」と柏木の卒業発表に寂しさをにじませつつ、「今のみんなに見送ってほしいと言ってもらえたのがすごくうれしかった」。また「未来の明るいAKB48を見せて、安心して卒業してもらいたい」と語った。柏木は「あと半年、32歳頑張るので、AKB48をよろしくお願いします!」と呼びかけた。

「元祖神7(かみセブン)」ではなかったものの結成当初から、最盛期もグループの中心メンバーとして活躍し続けてきた。21年5月に、最後の1期生だった峯岸みなみ(30)が卒業後も、最年長としてけん引してきた。

30歳の節目を迎えようとしていた21年6月には、テレビ番組で発覚した「脊髄髄内腫瘍」摘出手術を行い、約1カ月間休養したこともあったが、無事に復帰。年齢も一回り以上離れた後輩とともに切磋琢磨(せっさたくま)し、汗を流してきた。20年2月にスタートしたYouTubeチャンネルをきっかけに、新たな若い女性ファンも増やすなど、今なお活動の幅を広げている。

今月10日にはスタイルブック「いくつになったって、アイドル」を発売し、同日行われたイベントでは、今ではアイドルは「趣味」とし、「20代の頃とかは天職ですとか言ってきたんですけど。さすがにこんな長くやってるのって仕事の域超えてるなって。軽い気持ちではなく、仕事を超えた本当に自分の心から好きなもの、楽しいって思えるものがアイドルなんだと思います」と語っていた。

◆柏木由紀(かしわぎ・ゆき)1991年(平3)7月15日、鹿児島県生まれ。愛称「ゆきりん」。07年4月にAKB48の3期生として加入。09年4月からTBS系「ひるおび!」内でお天気コーナーを担当。10年~15年、派生ユニット「フレンチ・キス」として活動。13年2月に「ショートケーキ」でソロデビュー。14年2月からNMB48、15年8月からNGT48の兼任も経験。シングル選抜は、歴代最多の51回で、センターは15年「Green Flash」で1回。選抜総選挙は第1回(09年)から9→8→3→3→3→4→3→2→5位(17~18年は不出馬)。18年、NHK大河ドラマ「西郷どん」出演などドラマ出演も多数。20年2月にYouTubeチャンネルも開設。今年4月、プロデュースするコスメブランド「upink(ユーピンク)」始動。血液型B。