腹部の手術を受けて療養中の英王室のキャサリン皇太子妃が、英国の母の日である3月10日に公開した3人の子どもたちと並ぶ微笑ましい家族写真が加工されていたことを巡り、ネットで陰謀論が拡散されるなどここ数週間、世間をざわつかせています。

今年1月に手術を受けて以降、公の場に姿を見せていなかったことから重病説や行方不明説などがささやかれ、中には王室が皇太子妃の死を隠蔽していると信じる人まで現れる始末で、キャサリン皇太子妃は「がんと診断された」ことを公表せざるを得ない状況となりました。

キャサリン妃(2015年9月撮影)
キャサリン妃(2015年9月撮影)

X(旧ツイッター)にがんの治療を受けていることを公表する動画を投稿したことを受け、写真加工をジョークのネタにしたセレブたちが一斉に謝罪する事態となっています。

「恥ずかしい」と真っ先に謝罪したのは、女優ブレイク・ライブリー。「私がなぜ、行方不明になっていたのか分かりますよね」とキャプションを添え、不自然な加工写真で自身がプロデュースする飲料ブランドの新商品をPRする写真をインスタグラムに投稿してからかったライブリー。皇太子妃が、がんを公表したことを受けて自身のインスタグラムのストーリーズに「フォトショップの失敗でくだらない投稿をしてしまいました。今この投稿をみて、とても恥ずかしい。こめんなさい」と謝罪コメントを投稿しました。

米CBSテレビの人気トーク番組「ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」で司会を務めるコルベアは、キャサリン皇太子妃の失踪中に夫ウィリアム皇太子に「不倫疑惑」が浮上したと番組のオープニングで話し、写真加工に続いて不倫疑惑で王室ファンをざわつかせました。コルベアはその後、「他人の悲劇を軽視しないことが自分のスタンス」と話し、キャサリン皇太子妃の1日も早い回復を祈ると共に、自身の発言を謝罪。

女優ウーピー・ゴールドバーグが共同司会を務める米ABCテレビのトーク番組「ザ・ビュー」に出演する弁護士のサニー・ホスティン氏は、番組の中でゴールドバーグの苦言をよそに皇太子妃が「影武者」を使っていると陰謀論を繰り返した過ちを認め、謝罪しています。

また、英国のジャーナリストで政治活動家のオーウェン・ジョーンズ氏も、「本当はどこにいるのか」と発言したことを巡って、健康状態が深刻である可能性を考えず臆測した者として、「恥ずかしい」と謝罪しました。

一方で、未だ謝罪も問題の投稿の削除もしていないのが、タレントで実業家のキム・カーダシアンです。カーダシアンは、車に乗り込む写真をインスタグラムに投稿し、「ケイト(皇太子妃)を探しに行く途中」とキャプションを添え、ジョークのネタにしたことで「無礼」「謝罪すべき」と批判を浴びています。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)