久保史緒里(21)に、春が来た。発売中の乃木坂46最新シングル「人は夢を二度見る」で初センターを務めている。野球好きアイドルとしてWBC関連の仕事でも大活躍し、NHK大河ドラマ「どうする家康」の出演も控える。1度は諦めた夢をかなえ、大輪の花を咲かせようとしている。【横山慧】

新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)

ポジションが伝えられる選抜発表は、いつも「自分に保険をかけていた」という。「毎回、期待しないでおこうという気持ちで臨んでいました」と告白した。同期の山下美月(23)とのダブルセンターが発表され「もしかしたら…? みたいな気持ちもなかったので、心の準備はできていませんでした」と振り返った。

最後の1期生秋元真夏(29)や最後の2期生鈴木絢音(24)も卒業し、3~5期生だけになって初めてのシングル。「先輩方がいなくなって、誰もが1回方向を見失いそうになるタイミング。みんなが不安にならないための道しるべでありたいです。臆測ですけど、ひたすら前に向かって歩く姿を見せることが今回任された使命なのかな…と思いました」と解釈した。

新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)

小学生からアイドル好きで、センターへの憧れはあった。16年9月に3期生として加入。先輩の高山一実(29)から「久保ちゃんはいずれセンターに立つべき人」と言われ、さらに意識した。だが、乃木坂46の層は厚い。同期や後輩が先にセンターに選ばれていった。

「正直、5年目くらいで1度諦めたんです。『もう私はないかな』って、折れてしまって。後輩を紹介する番組とかもやらせていただいていたので、改めて別の自分の役割を探しました。でも、ファンの方はずっと信じ続けてくださったので、恩返しができたかなという気持ちです」

加入から6年半かかっての初センターは、グループ最長記録だ。乃木坂46のセンターは、まさに“二度見た夢”だったのかもしれない。「訓練はしていたつもりなので、今回センターに立ってもおじけづいたり、ビビったりというのはないです」ときっぱり。「『人は夢を二度見る』は、もう1回前を向いて夢を見ようと志す曲です。自分も夢だった乃木坂に入って、さらにたくさんの夢をかなえてもらった。夢をかなえた先にも夢がある、恵まれた環境です」と感謝した。

新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)

夢の1つだった大河ドラマ出演も、オーディションで勝ち取った。数奇な運命に巻き込まれる織田信長の娘、五徳を演じる。「本当に貴重な経験をさせていただいている毎日です」。

野球ファンとしても、夢がかない続けている。先月4日のWBC壮行試合で始球式を務め、今月23日にもプロ野球楽天-日本ハム戦(楽天モバイルパーク)で始球式を行う。「“自称NPB女子広報部”を名乗らせていただくからには、さらに勉強をして恩返ししていきたいです」と誓った。

新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)

「これまでずっと『今年は種をまいた1年でした』しか言えなかったんです。『芽が出ました』すら言えなかった。6年間種をまき続けて。だけどやっと、まだまだ満開とは言えないけど、ようやくちょっとずつ花が咲き始めてきたかもしれません。1人でも多くの方に見つけてもらえるくらい、1つでも、少しでも大きな花を咲かせられる春にしたいです」

7年目の開花前線は、確かに上昇中だ。

◆久保史緒里(くぼ・しおり)2001年(平13)7月14日、宮城県生まれ。小3から中3まで楽天のジュニアチアガール。ニッポン放送「乃木坂46のオールナイトニッポン」メインパーソナリティー。ファッション誌「Seventeen」専属モデル。161センチ。血液型O。

新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)
新曲のセンターを初めて担う乃木坂46の久保史緒里(撮影・丹羽敏通)