「ものまね四天王」が23年ぶりに復活する。東日本大震災応援チャリティーコンサート「ものまねキャラバンVol.5」が、今月29日に東京・渋谷公会堂で行われ、グッチ裕三(63)モト冬樹(63)のビジーフォー、清水アキラ(60)栗田貫一(57)コロッケ(54)が出演する。方向性の違いで、ものまね界が“分裂”した1992年(平4)3月以来の四天王勢ぞろいになる。

 ビジーフォーの美しいハーモニーの洋楽ものまね、清水の下ネタやセロハンテープ芸、栗田の「もしもシリーズ」や「ドレミの歌」、コロッケの女装ものまね…。これぞ「ものまね四天王」という名人芸を、同じステージで堪能できる日が23年ぶりにやって来る。

 11年6月の第1回から「ものまねキャラバン」の呼び掛け人を務めるコロッケは言った。「第5回という節目で四天王がそろうことで、震災の記憶を風化させない一助になれば」。

 「ものまね四天王」は、フジテレビ系「ものまね王座決定戦」で活躍した。当初、歌手が出演者の中心だったが、80年代後半からものまねタレントにシフト。ビジーフォー、清水、栗田、コロッケがしのぎを削り合った。「ものまね四天王」と呼ばれるようになり、ものまねをエンターテインメントとして確立した。しかし、番組側との方向性の違いから、コロッケが92年3月31日放送を最後に番組を降板。日本テレビ系「ものまねバトル」に新天地を求めた。他のものまねタレントにも追随者が出て、ものまね界が分裂。「ものまね四天王」は事実上消滅した。その後、ビジーフォーも活動休止状態となった。

 一方で「ものまねキャラバン」第1回で、清水、栗田、コロッケの3人が約19年ぶりに共演。第2回ではコロッケとビジーフォーのモト冬樹が共演した。全員、趣旨には賛同していたが日程の都合で実現していなかった。そして、今回はおのおのの調整がうまくいき実現の運びに。懐かしのネタも披露する予定で、コロッケは「(分裂は)仲たがいではありませんし、全員では23年ぶりですが、あのころの雰囲気に戻ると思います。年は取りましたが(笑い)」。一方で「きっと最後の勢ぞろいになると思いますよ」と言い、「若手(タレント)は、観客の方以上にかぶりつきになるのでは」と笑った。