武田梨奈(24)が24日、東京・ユーロライブで行われた映画「木屋町DARUMA」(榊英雄監督、10月3日後悔)プレミア試写舞台あいさつに参加した。

 武田は劇中で、寺島進演じる父の借金のかたに、風俗に売り飛ばされ、身を落としていく女の子を演じるが、撮影中、榊監督に限界まで追い込まれた。「現場にいるのが怖かった。榊監督に名前を呼ばれることがなかった。『ブス!!』って呼ばれて…怖かった」と振り返った。

 客席からは笑い声とともに、観客の視線が一斉に榊監督の方向に集中した。武田は「(撮影の)最初からテンパっていたので、限界まで追い込んでくださったことで、役が成立しました。撮影が終わったら、すごく優しくしてくれた」と笑みを浮かべながらフォローした。

 「木屋町DARUMA」は、かつて京都・木屋町のヤクザのトップを張った男が、ある事件で四肢を失い、体を張って借金取りとして生きる姿と、その周囲を取り巻く裏社会の男たちを描く、壮絶な人間ドラマだ。丸野裕行氏の小説が原作だが、あまりに内容が過激すぎるあまり、出版社が出版を断り、電子書籍化された“発禁小説”として話題となった問題作を映画化した。榊監督は「小説を出版できませんというから、読ませていただいたら映像が浮かんだ。そこで『映画を作ったら?』と丸野くんを暗黒の世界に引きずり込んだんです」と笑いながら語った。

 映画にしても、過激な映像と「DARUMA」という差別用語がタイトルについていることから、なかなかメディアにも取り上げられなかったという。この日、仕事の都合で欠席した主演の遠藤憲一(54)は、ビデオレターの中で、作品への熱い思いを吐露した。

 「映像表現が大好きな人たちが集まって、1カット、1カット、一生懸命作っていって完成した。作品を見たら、とてもエネルギーがある…でも完全に忘れていたことがある。お客さんが見るんだということを関係なく、全力投球し、とてもエグい作品になった。(主人公は四肢がなくても)これでも生きるんだ! という心の叫びを伝えたくて演じたし、それが(作品に)一貫していると思う。完全に賛否両論ある作品。かけてくれる劇場もないと思ったら決まってビックリ。やれることをやっちゃった」

 榊監督は 舞台あいさつの最後に「見てもらって、ケチをつけられる方が潔く気持ちいい。見る前から言われるとイラッとくる。悔しいじゃないですか。『見る気がせんわ』とか『何でこんなクソ映画みたいな映画撮ったんだ』とか…見てから言えよ、このヤローと」と、怒りすら交えて作品をアピールした。

 この日は三浦誠己(39)、出演しキャスティングプロデューサーも務めた木下ほうか(51)が登壇。同じく出演した森本のぶ(36)が司会を務めた。