アイドルグループ、でんぱ組.incの藤咲彩音が、オーストラリア・メルボルンで開催された「メルボルンマラソン」でフルマラソンに初挑戦し、完走した。

 タイムは5時間27分22秒、女子の部で875位だった。メンバーやスタッフ、日本から駆けつけたファンの声援を力に変えて、42・195キロを駆け抜けた。

 「今までもいろいろな場面でたくさんの方から声援をいただきましたが、今日は(声援が)体に染みました」。強風、虫、眠気。ペースをつかめない藤咲のスイッチが入った。13キロ地点でエールを送るメンバー古川未鈴の顔を見ると、眠気が吹き飛んだ。自身のキャップとサングラスを古川に預け、本来のペースを取り戻した。自主練習の最高距離は20キロ。未知の領域だった30キロあたりからは左足が痛み出した。「もう座っちゃえばという悪魔のささやきが聞こえてきました」。並走するスタッフ、沿道で声援を送るファンに励まされ、気持ちを振り絞った。両手で楽曲の振り付けを行いリラックスを心がけるなど、藤咲らしい走りで、残り10キロも走破した。「達成感がすごかったです。今まで1人で何かをやることはあまりなかったですし、自分との戦いに勝てて自信につながります。またマラソンに出てみたいです」。オーストラリア3大マラソンの1つをクリアし、さらなる挑戦を宣言した。

 でんぱ組は、11月の富士山マラソン(山梨県)のアンバサダーで、姉妹提携大会のメルボルンマラソン出場のため、古川と藤咲がグループを代表してオーストラリアを訪れていた。古川は5・7キロの部に挑戦し、37分42秒で40分以内の目標をクリア。藤咲の応援のため往復15キロを歩き、スタートギリギリに滑り込むドタバタでの快走だった。「私でも(ランニングが)できるんだと思わせてくれた大会でした。でも、1番の思い出はウォンバットに会えたことかな」と笑顔をみせていた。