来年1月2日に開幕する大阪松竹座公演で、父子4人の襲名披露興行「壽初春大歌舞伎」に臨む歌舞伎俳優、中村芝翫(しかん=51)が9日、大阪市内で、長男の中村橋之助(21)次男の福之助(19)三男の歌之助(15)とともに会見した。

 父の名跡を継いだ8代目芝翫は「芝翫といえば先代も、女役の印象ですが、私としては、8代目をあら削りな、男くさい芝翫に育てていきたい」と話す。

 正月の松竹座公演では、昼の部で「梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」を、夜の部では息子3人も出演する「勧進帳(かんじんちょう)」の弁慶を演じる。

 芝翫は「僕はもともと、時代物が好きで、若い頃はよくやっていましたが、(義兄の故中村)勘三郎兄さんと中村座をやったりしているうちに、近年は世話物が多かった。今回は、やはり本領を発揮できる時代物をやりたかった」と説明した。

 すでに東京などで襲名興行を終えており、父の前名を継いだ長男の橋之助は「父が芝翫というイメージは僕の中で強くて、すでに(父が)橋之助というイメージはないです。でも、やはり、父の前名ですから、自分としてはまだ…。1からまったく新しい自分の名前、橋之助を作っていきたい」と語った。

 橋之助は立ち役で、次男の福之助も「立ち役をやりたい。今回、松竹座では4役があり、本当に生きているなという感じです」と、けいこ段階から多忙な中に充実感を感じている様子。

 また、三男の歌之助は中学3年ということもあり、初めての地方公演への出演。歌舞伎座公演中には、中間テストとも格闘していたといい、来年1月は学校を休み、襲名興行に専念する。「兄たちと一緒に、一日中松竹座にいられるという喜び、好きなお芝居を存分にやらせていただけるという喜びでいっぱいです」と、初々しい笑みを浮かべ、話していた。

 「壽初春大歌舞伎」は来年1月26日まで。