大阪松竹座公演「華岡青洲の妻」(9月22~30日)に出演する水谷八重子(78)波乃久里子(71)ら出演者が4日、和歌山県紀の川市の「青洲の里」を訪ねた。

 青洲の母を演じる水谷は、波乃、青洲役の喜多村緑郎(48)と、1月に劇団新派に入団した河合雪之丞(46=市川春猿から改名)の4人で、華岡家の墓地へ参り、青洲の住居兼診療所である「春林軒」も見学。水谷は「世界初の偉業がなされたこの場所に来ることができ、本当にうれしく思います。(かつて同じ役を演じた)杉村春子先生の大きさを感じながら、精いっぱい演じさせていただきます」と気持ちを新たにした様子だった。

 また、波乃は初めて、同地を訪れたといい「あらためて(同作の)有吉佐和子先生のすごさを知り、もっと好きになりました。本当に日本で誇れる作品。責任を持って演じたい」。喜多村は「医学の礎を築いたともいえる青洲先生を演じることができ、本当にうれしい」と喜びを口にした。

 新派への入団1作目になる河合は、青洲の妻役で出演。「リアルなお芝居の中で、女形として溶け込めるように努めます」と話していた。