永瀬正敏(51)が8日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた、米映画「パターソン」(ジム・ジャームッシュ監督)大ヒット記念舞台あいさつに登壇した。

 「パターソン」は、16年の第69回カンヌ映画祭で、出演したブルドッグのネリーが、演技が光った犬に贈られるパルムドッグ賞を受賞した作品。米ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手パターソンの、7日間を描いた作品。永瀬は、主演の米俳優アダム・ドライバー(33)と共演するラストシーンで起用された。

 永瀬は出演にあたり直接、連絡をくれたジャームッシュ監督との“おとこ気エピソード”を明かし、「いろいろ気を使っていただいて、うれしかったですよ」と笑みを浮かべた。

 永瀬 (監督から)「君を思い浮かべて書いた役になるんだけど、ニュージャージーで撮影するし、たった1シーンなので本当に嫌だったら、難しかったら断ってくれ」というメールをいただいて、「そんなわけ、ないじゃないですか! すぐやります。すぐ行きます!」とメールしましたけど。

 永瀬は89年「ミステリー・トレイン」以来、27年ぶりの同監督作品への出演となったが、印象に残るフックを作ってくれる監督だと語った。

 永瀬 前(「ミステリー・トレイン」)の時は、ライターをつける、つけ方。今回は「Uh huh」と言う(せりふ)。去年も、いろいろな映画祭とか回っていて、海外の知り合い、ジャーナリストの方々からメールをいただく時、必ず締めが「Uh huh」。みんなで「Uh huh」言ってるよって…ありがたいなと思いますね。

 この日の舞台あいさつは、永瀬と「ミステリー・トレイン」の現場でスチール撮影を担当し、同監督とも長年、交流のある写真家の鋤田正義氏が、「パターソン」を広めてほしいという思いから、観客の写真撮影を完全OKにして行われた。永瀬は鋤田氏について、「デビッド・ボウイが世界で3人、写真を撮るのを許した1人ですから。皆さん、写真を撮っておいた方がいいですよ」と紹介し、観客に写真撮影を促した。

 鋤田氏は「ミステリー・トレイン」の撮影現場で出会った永瀬について「日本から若い青年がメンフィスに来て、音楽のルーツを回っていく映画でした。僕も音楽が好きで、音楽好きな青年という感じを、ジムさんがうまく引き出していて、それに応えていた。ひと言で言うと、格好いい印象が強かったです」と語った。【村上幸将】