テレビ朝日系「宇宙戦隊キュウレンジャー」(日曜午前9時30分)でシシレッドに変身する主役のラッキーを演じている、俳優岐洲匠(20)を取材した。

 3年前、高校2年の時に、ジュノン・スーパーボーイコンテストで明色美顔ボーイ賞受賞したのが芸能界入りのきっかけだ。ノリで応募したが、賞を取ったことでスカウトが殺到した。

 当時、岐洲は美容師を目指していた。美容師になるコースのある高校に通っていた。印象的だったのは、すぐに芸能界入りせずに、美容師の資格をしっかり取ったこと。岐洲は「それまで努力してきた3年半を無駄にしたくなかった」というが、美容師の勉強を放り出していたら、この先、壁にぶつかった時に「あの時、美容師を選んでいたら」と逃げ道が出来てしまう。ちゃんと美容師の資格試験を受けて合格した上での、芸能界入りにすがすがしさを感じた。大泉の東映撮影所で、古参のカメラマンにしごかれた話を聞いたが、そこにナチュラルにあふれる喜びに、こちらも勇気づけられた。若いうちは叱ってくれる人こそが恩人。年を取ると、相手にされなくなるだけだから(涙)。

 戦隊ものに出演する俳優を取材するのは楽しい。初々しい若者が、あっという間にスターに“変身”するのを目の前で体感できるのだ。今は子供たちのアイドル。そして、その若いママたちの間で人気者だ。だが、1、2年もすれば、若い女性が殺到するようになる。取材した戦隊ものヒーローが人気者になると、まるで自分がモテモテになったような気分だ(笑い)。

 個人的には8年前に「侍戦隊シンケンジャー」に主演した松坂桃李(29)が印象深い。湘南で伸び伸びと育った松坂が、びっしり入った戦隊もののスケジュールと苦闘していたのが懐かしい。弊社主催の「日刊スポーツ映画大賞」の石原裕次郎新人賞を受賞した時は、芸能を離れていた担当者が、「桃李君が裕次郎賞を受賞しました」と連絡をくれた。取材先のプロレス会場で電話を受けて、その日は祝杯を挙げた。

 俳優として日の出の勢いの菅田将暉(24)、BOYSANDMENの小林豊(28)も「仮面ライダー」シリーズで話を聞いた。活躍を見るたびに、喜びがふつふつと湧いてくる。「キュウレンジャー」は来年はじめにも終了する。岐洲が、その後、どんな変身を見せてくれるか楽しみだ。