宝塚歌劇団理事で、専科スターの轟悠(とどろき・ゆう)が主演する専科公演「神家(こうや)の七人」(作・演出=齋藤吉正氏)が13日、兵庫・宝塚バウホールで開幕した。

 マフィアの息子が、家業継承を拒否して「神の道」を歩もうとするオリジナルコメディー。専科、月組からの選抜をあわせて出演者はわずか9人。13年に同じくバウで上演されたニール・サイモン原作の「第二章」以来、4年ぶりの専科コメディーになる。

 轟が演じる青年イヴァンは、純粋で心優しい「お坊ちゃま」。第2次世界大戦から故郷ボルティモアに帰還すると、父の死に直面。父が残した“会社”を継ぐことになるが、その実態はマフィアだったというストーリー。主人公は、神父になることを決意。父の部下だった6人と一緒に「神の道」へ進もうとする。

 轟いわく、役柄は「素直に育った、さわやかな笑顔のお坊ちゃん」。ギリシャ彫刻のような顔立ちで、立ち姿から些細な動く姿まで、男役を極める轟にとっては、珍しい役柄だ。

 入団33年の経験をもってしても「ほぼ演じたことがない」キャラクターだそうで、今作では、純粋な「お坊ちゃん」と、亡き父が乗り移った粗暴な男の“2役”を演じている。

 公演は25日まで。