米NBCテレビの看板ニュースキャスターであるマット・ロウアー氏(59)が、ソチ・オリンピックの際に同局の女性スタッフを性的に虐待したとして、解雇されたとニューヨーク・ポスト紙が報じた。

 NBC関係者によると、NBC側は過去数週間にわたりロウアー氏を調査しており、ニューヨーク・タイムズ紙など複数のメディアが、同氏のセクハラについての記事に取り組んでいたようだ。

 NBCで20年以上にわたりキャスターを務めてきたロウアー氏の解雇は、29日、同氏がメインキャスターを務めてきた同局の看板番組「トゥデー」の冒頭で、女性共同司会者らが発表。

 NBC会長アンディ・ラック氏による、「マット・ロウアー氏による職場での不適当な性的振る舞いについて、ある仕事仲間から詳細な苦情を受け取った。我々の会社の基準に明らかに違反しているため、同氏の解雇を決断した」とのメモが読み上げられた。

 発表から数時間後、ハリウッド業界紙バラエティーは、NBC職員らによる十数件の苦情について報じ、「ロウアー氏はかつて、女性従業員を自分のオフィスに呼びつけ、ズボンをおろし、性器を見せた上、女性が性行為に応じないことを叱責したこともある」としている。

 ニューヨーク・タイムズ紙も同日午後、NBCがセクハラに関するあと2件の苦情を受け取ったと報道。その1つは、ロウアー氏が2001年に女性をオフィスに呼びつけた上、性行為に至ったとするものだ。同氏には結婚19年になるオランダ人モデルの妻がいるが、関係者は米ピープル誌に、「彼の定期的な浮気は、誰もが知っていた」と語っている。(ニューヨーク=鹿目直子)