笑福亭仁鶴(80)の弟子で、脳出血のため急死した笑福亭仁勇(しょうふくてい・にゆう=本名・山沢健二)さん(享年59)の告別式が19日、大阪市淀川区で行われ、桂文珍(69)桂米団治(58)桂塩鯛(62)ら約300人が訪れた。

 仁勇さんが亡くなった翌日の17日、弟子の笑福亭仁智(65)から訃報を知らされた師匠の仁鶴は、ショックで言葉が出ないほど憔悴(しょうすい)しており、通夜、この日の告別式ともに姿を見せなかった。

 所属事務所によると、今年6月に愛妻を亡くした後、休養が続いている仁鶴は、相次ぐ不幸に相当な衝撃を受けているという。

 この日は、仁智ら仁鶴一門が総出で、喪主の長女彩野さんのあいさつを経て、仁勇さんの棺を運んだ。

 出棺にあたっては、仁勇さんが以前、使っていた出ばやし「宮さん宮さん」が生演奏され、出席していた上方落語協会関係者によると、喪主あいさつで、彩野さんが同出ばやしの逸話を披露した。

 同出ばやしは、仁勇さんが最初に使ったもので、10年に亡くなった仁勇さんの夫人が「父(仁勇さん)が皇太子さまに似ているから、『宮さん-』を出ばやしにしたらどうだ」と勧めたものだったという。

 また、同協会、事務所とも、天満天神繁昌亭などでの追悼企画、公演について「急なことでしたので、これから一門と相談、検討することになると思います」と話した。