2016年4月に57歳の若さで死去した米歌手プリンスさんの死因を巡る捜査が打ち切られることとなった。

 プリンスさんは、米ミネソタ州にある自宅兼スタジオ内のエレベーターで倒れている所を発見され、死亡が確認された。死因は強力な鎮痛作用のある医療用麻薬オピオイドの過剰摂取で、地元警察が刑事事件として捜査をしていた。

 しかし、プリンスさんが服用した合成オピオイドのフェンタニルが含有された偽のバイコディンの入手経路を特定することができず、事件性を立証するには「証拠不十分」であるし、刑事訴追しないことを米ミネソタ州検察当局が発表した。

 自宅から規制薬物が押収されたが、プリンスさん自身が処方した履歴はなく、担当医とボディーガード兼アシスタントの男性も薬の入手を手伝ったことを否定していた。自ら故意に過剰摂取を行ったのか、誰かが何かの目的で飲ませたのかは不明のまま。(ロサンゼルス=千歳香奈子)