OSK日本歌劇団のトップスター高世麻央(たかせ・まお)が19日、大阪松竹座で、サヨナラ公演になる「春のおどり」の開幕を迎えた。

 高世は「大切なひととき、ひとときを逃すことなく、心に留めておきたい」と言い、客席や仲間から「パワーをもらっています」。満面笑みで、初日の幕を開けた。

 高世は96年入団。劇団存続の危機も、署名活動に参加して乗り越え、男役22年集大成のステージ。1部の和物ショー「桜ごよみ 夢草紙」では注目の早がわりに、2部は洋物ショー「One Step to Tomorrow!」に臨んでいる。

 04年に劇団生誕の地、道頓堀の松竹座での公演が復活。今年で15年連続開催となり、その愛すべき本拠地での退団公演。高世は初回公演の幕が下りた後、取材に応じ「いろんなパワーに包まれて、皆さんの思いがひとつになったような感覚です」と話した。

 今作の稽古時から、すでに熱い思いが胸にあったといい「お稽古中からずっとそういう感情があふれていて、でも、それはすばらしいこと。最後までしっかりと務めたい」とも語る。

 「大阪松竹歌劇団、OSKと出会い、幸せと(人生の)パワーを感じていますし、最後まで全力で歌い、踊れるようにしたい」と約束していた。

 同劇場での公演は27日まで。東京・新橋演舞場では「レビュー 夏のおどり」を7月5~9日に上演。同公演千秋楽をもって、OSKに別れを告げる。