俳優、歌手、タレント、舞踊家とマルチに活躍した朝丘雪路(あさおか・ゆきじ)さん(本名・加藤雪江=かとう・ゆきえ)が先月27日にアルツハイマー型認知症で、都内の自宅で死去していたことが、20日までに分かった。82歳。14年に芸能活動を休業し、療養を続けていた。

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 朝丘さんの父は日本画家伊東深水。料亭のおかみの母の勧めで3歳から日本舞踊を始め、父の名からとった「深水流」を創設した。日本テレビ系「11PM」で66年から82年までアシスタント役。胸が大きいことからMC大橋巨泉さんに「ボインちゃん」と呼ばれ、当時の流行語にもなった。歌手としては「雨がやんだら」(70年)などのヒット曲をもち、NHK紅白歌合戦に10回出場。映画は「ジャズ娘乾杯」(54年)でデビューした。

 お嬢さま&天然キャラが魅力だった。泰明小学校には人力車で通学。結婚するまで、自分でお金を払って買い物したことがなかったという。家事が苦手で、津川の「わが家には主婦がいない」発言に「私も家事のできる奥さんがほしいわ」と発言したり、浮気容認発言など、奔放さで世間に愛された。