日本音楽著作権協会(JASRAC)が10日、新体制発足の記者会見を都内で行った。

 再選した作詞家いではく会長(76)は「JASRACには、音楽使用料を『取り立てる』というイメージがあるが、適正な音楽使用料を払っていただいて、それを(権利者に)『分配』している。『徴収』が広がって『分配』が伝わりにくい」と、「JASRAC」に対する世間のイメージに事実と異なる点があると説明。現在も「プライベート以外はすべて公にしている」とした上で、「世間の人が感じている不透明感を払拭(ふっしょく)する。それが(会長)2期目の仕事」と宣言した。

 また、作詞家という「権利者の立場から言いたい」と前置きをして、音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を示していることにも言及。「音楽教室は授業料を取って商売をしている。世の中には仕入れのない商売はない。音楽を『教える』ことは技術であって、『仕入れ』ではない」。音楽創作者の作品を利用して多額の収入を得ながら、著作権を支払わないことへの疑問をあらためて訴えた。

 JASRACと音楽教室側は著作権使用料の徴収をめぐり裁判で係争中。音楽教室側は「著作権使用料の徴収は音楽教室に大きなダメージを与え、音楽を学ぶ機会の減少につながる」などと懸念を示している。