9月15日から3年ぶりの全国ドームツアーをスタートさせるEXILEメンバーに迫るスペシャル企画「日曜日のヒーロー×EXILE」の最終回(第3回)は、LDHグループのチーフ・クリエイティブ・オフィサーでもある、EXILE HIRO(49)が登場しました。

2017年(平29)1月に新体制となったLDHが取り組んできた海外事業について、紙面ではお伝えしきれなかった“熱いトーク”をニッカンコムでお届けします。

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★17年から新体制で海外へ

-17年1月にLDHが新体制となり「LDH EUROPE」「LDH ASIA」「LDH USA」とグループ会社も組織化されて、海外事業も本格化しました

HIRO 海外との関わりはもともとありましたけど、どこかのタイミングで、所属のアーティストに対してもファンの皆さんに対しても、自分たちがどういう形で取り組んでいるとか、どういうビジョンがあるのかとか、明確に表現したかったということがありました。だから事業を拡大して大きくやりますよというわけではなく、うまく整理整頓して、ここからがスタート、というのが17年1月でした。

-「LDH EUROPE」では、人気DJのAfrojack(アフロジャック)がCEOを務めています

HIRO 欧州では現在、アフロジャックが世界で女性グループのオーディションをやっていて、日本式の合宿をやったりもしています。彼がオランダ人というのもあって、オランダが中心になっていますが、まだ見ぬ逸材が結構います。得意分野は音楽フェスを作ることなので、ヨーロッパでフェスを作りたいですし、「EXPG」(ダンス&ボーカルスクール)の機能も作りたいんですけど、じっくりとやっていきたいです。

-米国ではいかがですか

HIRO USAは、8月にサンタモニカに飲食店の「THE ROBATA」がオープンして、11月にはEXPGが新たにオープンする予定です。スタジオだったり、楽曲のスペシャリストが集まるので、メンバーが行って修行することもできると思います。あとはアパレルをリスクなく展開できればと思います。米国には、世界中から人も集まっているので、世界的聖地になりそうです。ロサンゼルスでのネットワークはVERBAL(バーバル)中心に広がってきています。2028年に五輪(オリンピック)もありますし、さらにネットワークを広げていきながら、あまり背伸びしすぎないようにとは思ってます。

★海外と日本 これからのエンタメ

-日本との関わり方はどうなっていきますか

HIRO 基盤となるのは、日本のエンターテインメントです。そこはブレないように、究めていきたいです。海外に基地ができるので、何かできたエンタメを輸入輸出して、ミックスされると、いろいろな盛り上がりにつながると思います。この2年は正念場になるかなと。すぐに結果は出ないですし、3年後くらいからいい周り方をしていくのかなと思っています。日本とはマーケットの規模が違うので、ハマったら一気に回っていくのかなと思いますし、そこを目指しています。メンバーの夢をどんどんかなえていきたいですし、海外で同じような夢や、意識を持ってくれる人たちと輪を広げていって、新しいエンタメのビジネスモデルを作っていきたいです。

-これまでの芸能界にもあまりない試みです。組織として海外に進出していくのもかなりの挑戦だと思います

HIRO 今の時代は、日本にいながら欧米で売れる可能性もあります。場所にいることが大切というより、どこのマーケットを意識して、どうアプローチして、どう発信していくかが大切です。エンタメでいうと、日本のクオリティーは高いと思います。例えば、7月に米国でm-floが中心に「OTAQUEST」というイベントを行いました。現地の日本好きが集まって盛り上がりました。そういう層を開拓しつつ、ELLYのように洋楽としてやってみたりとか、バランスを見ながら、自分たちの強みって何だろうと考えて勝負していきたいです。もうすぐ世界は、人口の6割がアジア人になるそうです。今は欧米がエンタメを引っ張ってる中で、いずれアジア人を意識せざるを得ない時が来ます。そこに刺さる何かを作ることが大切で、日本人も、新しいカルチャーとしていける気がしています。うまく変換しながら、やっていければと思っています。すぐに結果が出るわけではないので、もどかしいといえばもどかしいですが、いろいろパズルしながらやっています。

-そういった意味では、2020年の東京五輪はいい発信機会になるでしょうか

HIRO 観光客も増えて、エンタメは必要にされると思います。そういう雰囲気を感じてますし、20年に何をしていくのかというのを準備してますし、20年以降が勝負になります。エンタメにとってはいい時代が来ると感じていますし、おもしろくなっていくと思います。日本の中で、海外の人に喜んでもらえるエンタメを作りたいですし、海外にカルチャーを輸出していきたいということをつなげていくと、すごく強くなるのかなと思います。