演歌歌手北島三郎(82)が8日、都内の「北島音楽事務所」で取材に応じ、昨年大みそかに放送されたNHK紅白歌合戦出場を振り返り、新年への思いを語った。

北島は北山たけし(44)大江裕(29)の弟子コンビを従え、特別企画として5年ぶりに紅白に出演。2人が歌唱する「ブラザー」の後に登場して「まつり」を歌唱。41・2%の高視聴率を記録した。

「平成最後の紅白が、すごく盛り上がって良かったよ。あの雰囲気があって、会場のお客さんも喜んでいたね」。

サザンオールスターズが最終歌唱者で、桑田佳祐(62)がステージ上で北島に呼び掛けたり、一緒に踊った松任谷由実(64)にキスをされるなど、にぎやかな雰囲気が視聴者にも伝わった。「三色の色が出たというのかな。桑田君はさすがプロ。良いものを持っている。ユーミンは自分の住んでいる八王子市出身で対談をしたこともあって、コンサートに来てくれたこともある」と親しい間柄であることを明かした。

楽屋では、史上初めて紅白両組からの出場を果たしたYOSHIKIと、2人とも痛めている頸椎(けいつい)の話で盛り上がったという。「何番目の頸椎ですかと聞かれて『俺は全部だよ』と答えたんだ」と笑わせた。

北島の出演効果もあって、紅白第2部の平均視聴率が関東地区で41・5%(ビデオリサーチ調べ)の高視聴率をマークした。自然と今年の紅白出演への期待も高まる。だが、16年に頸椎(けいつい)症性脊髄症の手術を受けたことを引き合いに「体調が本調子ではない。維持が精いっぱいで、今以上に良くなることはない」として「出る可能性はゼロです」と断言した。そして「でも、何らかの形で応援をしたい気持ちはある。自分はずっと、紅白があった方がいいと言い続けている1人だから」とエールを送った。

また、新年を表現する漢字一文字を色紙に書いてもらうと「証」としたためた。「歌手として生きている『証』を残しておきたい。人生はいっぺんだから、『何が正しいか』よりも『何が大切か』を大事にしていきたい」。

今月23日に新曲「故郷への道」を発売する。平成時代、最後の発売になるかもしれない同曲が、歌手としての「証」を残す大切な1曲になる。