宝塚歌劇団花組「CASANOVA」新人公演が26日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、期待の美形スター候補、6年目の帆純(ほずみ)まひろが初主演した。

役柄は希代のプレーボーイ。3月には新人最終の7年目を迎える帆純は、「華」と「美」に恵まれた当代の「トップ・オブ・トップ」明日海(あすみ)りおの背中を追ってきた。

あこがれの明日海を本役にセンターに立ち、帆純は「心があれば、どんなに声が裏返っても、風邪をひいていても、心さえあれば、お客様に伝わると(明日海に)言われました」。心をこめて演じ上げ、銀橋へ1人出て、組メンバーを従えて歌う場面は「お客様の熱、組のみんなの思いを感じて、気持ちよかったです」と笑顔で振り返った。

開演前、緊張感がピークに達していた時には、明日海から「トップ・ライトの重み」を伝授。明日海は、宝塚大劇場でセンターに立つ者が浴びる強いライトを「歴代のスターさんたちの頑張ってきた思いがこもっている」と表現し、帆純に「困ったら、絶対に力を貸してくれるから、安心して真ん中に立ちなさい」との言葉を授けた。

先輩の金言を得て、無事に初主演を終えた帆純は、次回東京公演へ向けて「自分の存在感、役柄、主役としてみんなを引っ張っていかなきゃ」と、センターとしての自覚も強まったと明かした。

ヒロインは、次期トップ娘役の華優希(はな・ゆうき)。今作の東京公演で退団するトップ娘役・仙名彩世(せんな・あやせ)からバトンを継ぐ華は、修道院から出たばかりで、主人公と運命の出会いをするベアトリーチェを好演した。

仙名からは「何事もすぐには克服できない。今、自分が出せるベストを出したらいい」とアドバイスを受け、本番に臨んだ。

仙名に背を押され、開演を迎えると「お客様が入ってこそ、その中でこそ集中できることがあると学びました。客席と、ライトにはさまれて、幸せに包まれたような気がしました」。一方で、役柄へは「(自分の中で役への)核心がないと舞台では、その役として務まらない」と再認識し、次期トップ娘役としての覚悟を口にしていた。

東京宝塚劇場での新人公演は4月11日。