第13回繁昌亭大賞を受賞した桂かい枝(49)と、同奨励賞の桂雀太(42)が5月に、大阪市北区の天満天神繁昌亭で、受賞記念ウイークと題した昼席の記念興行を行うことになり、24日、同市内で、新時代「令和」へかける思いを語った。

繁昌亭は、前会長の6代桂文枝(75)が、06年に戦後初の定席として開館させた。今年6月からは改修工事のため休館することが決まっており、現行体制では最後の昼席興行になる。

おりしも、5月からは新元号の「令和」時代へ入り、昨年、上方落語協会では、会長職が6代文枝から、笑福亭仁智(66)へたくされた。世代交代が進む上方落語では、かい枝らの世代が「次世代」になる。

先代の故5代目文枝さん門下のかい枝は「もう50歳になるので、もうちょっと堂々とできるように」と苦笑しながら抱負。現在、明治時代、大正時代には語られていたが、今は誰も演じていないネタを掘り起こし「古墳落語」として、高座にかけている。

「明治、大正、いや江戸時代から埋もれて、誰もやらないネタを昭和、平成を飛び越えて、令和の時代に披露していきたい」

次世代として、伝統の継承にも取り組んでいる。

02年に桂雀三郎に入門し、17年春に、それまで所属していた米朝事務所を離れてフリーに転身した雀太も「時代が変われば、いろいろなものも変わる。たとえば先輩へのつっこみも『それ、昭和ですね』っていう響きが強くなる」と言い、次世代としての覚悟も示した。

受賞記念興行は、かい枝が5月20~26日まで、雀太は同27~31日まで。かい枝は全日程でトリを務め「古墳落語」も披露する予定で、兄弟子の文枝、桂小文枝らも出演する。