NHKドラマ「トクサツガガガ」出演で話題の女優、吉田美佳子(20)が、黒子で演じる舞台「新浄瑠璃 百鬼丸」(脚本演出・横内謙介氏)の東京公演が19日、座・高円寺で千秋楽を迎えた。

劇団扉座の公演で、東京公演は初日前に全日完売した。原作は手塚治虫漫画「どろろ」。客演の吉田は、天下取りを狙う武将の父が魔物と契約したために体の48カ所を失った赤子「百鬼丸」役で、演技の大半は舞台上での声と表情による感情表現のみ。衣装も黒子だが、鬼気迫る表情や声、叫びによる演技を披露した。終演後には、満席の客席で起きたスタンディングオベーションの中でも、ひときわ大きな拍手を受けた。

吉田は公演について「楽しかったです。毎日やっていても、役者さんも演技が変わるし、お客さんも変わるし、自分も芝居が変わる。感じるものは多かった」。ドラマ「相棒」にも出演する、どろろ役の山中崇史(48)や、岡森諦(57)ら、ベテラン俳優らとの演技を刺激にしていた。

公演には「トクサツガガガ」のみやび役で吉田を知ったファンも訪れたという。「舞台を見るのは初めて、という人も来てくれて感動しました」。同ドラマは特撮ファンの心を刺激する内容などが話題となっており、ギャラクシー賞の3月月間賞も受賞。吉田はその影響を体感したようだ。

舞台の関係者も口をそろえて「20歳とは思えない演技力」と絶賛する吉田。今後の同公演は、巡業や稽古を経て、6月14日に千葉・美浜文化ホールメインホール、6月16日に厚木市文化会館大ホールで千秋楽を迎える。吉田は「もっと磨いて来ますので、楽しみにしていてください」とアピールした。

 

◆吉田美佳子(よしだ・みかこ)1999(平11)年3月30日、東京生まれ。14年にスカウトされ、同年舞台「つか版・忠臣蔵~大願成就討ち入り篇」で女優デビュー。現在大学3年で英語、中国語を学ぶ。チャームポイントはおでこ。好きな女優はナタリー・ポートマン。身長159センチ、血液型A。