歌舞伎俳優中村勘九郎(37)中村七之助(36)が26日、都内で行われた「平成中村座 小倉城公演」(11月1~26日、北九州市・小倉城勝山公園)の制作発表会見を行った。

平成中村座初の九州公演で、勘九郎は「いよいよ九州初上陸。わくわくが止まらない」、七之助も「やる気に満ちあふれております」と話した。

平成中村座は、12年に亡くなった父中村勘三郎さんが中心になって00年に始めた。江戸の芝居小屋の雰囲気そのままに東京・浅草に仮設劇場を設営、大阪、名古屋、ニューヨークなどでも公演を行った。

勘三郎さんも九州公演を思い描いていており、生前よく「平成中村座は大阪から西に行っていないね」と話していたという。勘九郎は「九州はお客さまが熱い。(父は)九州が大好きでした」と振り返り、七之助は「父も一緒に行っている気持ちでいい公演にしたい」と語った。

夜の部は、小倉藩のお家騒動をもとにした「小笠原騒動」。平成中村座名物の舞台後方を開けて実際の景色を見せる演出もあり、小倉城天守閣がご当地演目を盛り上げる。昼の部は「神霊矢口渡」「お祭り」「恋飛脚大和往来 封印切」。

勘九郎にとっては、出演中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」後、初の1カ月歌舞伎公演。演じる金栗四三が熊本県出身で、九州への思いは強く「恩返しができればいい」と話した。