UHB北海道文化放送でニュースキャスター、解説委員を務めていた京谷和央氏(54)がユーチューバーに転身した。93年に同局入社以来、報道畑を歩んできたが今年5月に退社。6月から拠点を東京に移し、市民ランナー情報サイトの運営にたずさわる傍ら、自らも動画を撮影しアップロードしている。「KAZ BOMBAYE」のユーチューバー名で再出発し、ライフワークであるマラソンの魅力をインターネットで発信していく。

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迷わず行けよ、行けば分かるさ-。敬愛するアントニオ猪木氏の名セリフに背中を押されるように、京谷氏が清水の舞台から飛び降りる思いで決断した。「未知の世界で自分の能力で何ができるか試したい」。27年間勤務したUHBではキャスターとして、お茶の間にニュースを届けてきた。新聞記者時代から30年間歩んできた報道畑から、今度は動画サイトを新しいフィールドにする。

新しい形のマラソン伝道師になる。市民ランナーの情報サイト「RUNNET」の運営にたずさわり、自らも動画を撮影し「running BOMBAYE」の番組名で動画サイトにアップロードする。テレビはトップ選手の紹介が中心だが、動画サイトなら市民ランナーの奮闘ぶりや大会の情報、用具や練習コースの紹介などが可能。「テレビでは紹介できない市民ランナーをクローズアップするような情報にしたい。多様な価値観を多くの人と共有できたら」と思い描く。

スマートフォンは持っているが、通話とメールしか使わない、ガチガチのアナログ人間。撮影と編集のためのiPhone(アイフォーン)とパソコンを購入したが、作業は難航し5分の動画を編集するのに5時間以上はかかるという。「何でできたかわからない。偶然の産物」というアップロード動画はまだ数本だが、都内の駒沢オリンピック公園など練習コースを自ら走りながら紹介している。

20代から走ることがライフワークとなり、フルマラソンの自己ベストは49歳で記録した2時間38分39秒。猪木氏の代名詞からつけたユーチューバー名「KAZ BOMBAYE」で、マラソンの魅力を広げていく。「とてつもなく楽しみ」。燃える金髪ユーチューバーが、第2の人生を走り始めた。【西塚祐司】

◆京谷和央(きょうや・かずお)1965年(昭40)3月22日、小樽市生まれ。小樽潮陵高、日大卒。90年に十勝毎日新聞社、93年にUHBに入社。00年から3年間、モスクワ派遣員。06~14年はキャスター、その後は17年まで解説委員を務めた。16年の日刊スポーツ豊平川マラソン・ハーフ男子50~59歳で優勝。家族は妻と2男。168センチ、65キロ。血液型A。