国の文化審議会は19日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に歌舞伎脇役の片岡秀太郎(77)ら7人を認定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。政府は秋にも答申通り告示する。片岡は、歌舞伎立役の人間国宝だった故13代目片岡仁左衛門さんの次男で、弟の15代目仁左衛門も15年に人間国宝に認定されている。秀太郎は、女形を中心に重要な脇役を務め、上方歌舞伎の技芸を伝承。片岡愛之助(47)の養父としても知られる。

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--人間国宝に認定されることに

みなさまのおかげでございます。ありがとうございます。

--知らせを受けて

若い頃、(大谷)友右衛門兄さんに10代後半から20代、30代と、手取り足取り女技の基礎を教えていただいた。なつかしい思い出にございます。今の坂田藤十郎さんですか、扇雀兄さんのおかげでいろんな役を勉強させていただきました。

--大阪の歌舞伎は公演の機会がなくなるなど、厳しい状況のときも

昭和の30年代後半、芝居がだんだん、なくなってきて正直さみしかった。関西歌舞伎を育てる会(関西歌舞伎を愛する会の前身)ができると聞いたときはうれしかった。

--若手の育成は

今の若い子はいろいろ聞いてくれる。昔話をしたりね。舞台に出たら、昨日気づかなかったことに気がつくということもありますし。大きな役を務めさせていただいた経験を生かして若い人たちを支え、お客様が少しでも喜んでくれれば。

--報告は

15代目は(人間国宝を)いただいているし、いろんな経験があるので、たとえばこういうとき(どうするか)それだけは聞いた。

◆片岡秀太郎(かたおか・ひでたろう)本名・片岡彦人(よしひと)。1941年(昭16)9月13日、大阪府生まれ。46年10月、京都南座「吉田屋」で初舞台。女形を中心に修練を積み、父の13代目片岡仁左衛門の相手役も演じて経験を積んだ。56年3月、2代目片岡秀太郎を襲名。兄は5代目片岡我當。弟は15代目片岡仁左衛門。養子に6代目片岡愛之助。屋号は松嶋屋。