吉本興業は、闇営業問題で契約解消した雨上がり決死隊宮迫博之(49)について、26日、新たな見解を発表した。19日発売の「FRIDAY」で金塊強奪事件の主犯格との酒席の同席、金銭受領が報じられたが、否定する宮迫と強盗犯の証言が食い違っている点について「どちらを信じていいのか、困惑しております」と不信感を文面ににじませた。22日には岡本昭彦社長(52)が会見し、契約解消の撤回を発表したが、再び宮迫への疑念が晴れていない本音をのぞかせた。

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契約解除から処分撤回へ-。宮迫と亮の涙の会見を受け、一転して話し合う姿勢に傾いた吉本興業が、再び宮迫へ疑念の目を向け始めた。テーブルに着くことを呼びかけても応じない宮迫に強い態度で迫った。

この日午後、闇営業で反社会的団体の会合に出席して金銭を受け取り、吉本興業から契約を解消されている宮迫について、6月7日に闇営業問題を報じられてからの中間報告とも言える声明を出した。

FRIDAY報道の第2弾である金塊強奪犯との酒席、金銭授受の疑惑が報じられたことについて「弊社が行った『反社会的勢力主催パーティー参加の真偽確認』の際にも、宮迫氏より虚偽報告を受けていることから、弊社としてもどちらを信じていいのか、困惑しております」とした。

19日発売の「FRIDAY」は、新たに金塊強奪犯との酒席を報じた。宮迫はこの報道が出るタイミングで、田村亮(47)と早期の謝罪会見を主張。「静観」して事態の沈静化を図ろうとする吉本興業と衝突した。18日夜に、翌19日正午に予定されていた事務所側が主導する引退会見の想定問答の打ち合わせを欠席し、契約を解消された。

宮迫は20日に亮と行った会見で、岡本社長のパワハラや金銭授受を隠し通すことを強いられたと涙ながらに告発。22日に岡本社長が会見を行い、世論の同情論に迎合する形で明確な理由を示さないまま、宮迫の契約解消の撤回を表明した。

ところが、26日発売のFRIDAYは福岡拘置所で金塊強奪犯と接見し「一緒に乾杯してシャンパンを飲んだ」との証言を伝えた。金銭授受について宮迫は吉本のヒアリングに「2000%受け取ってない」と主張しているが、吉本側は今回の声明で「宮迫氏の主張を疑うことなく信じておりますが、万一にも、一部報道が事実であれば、先日、会見の場で発表させていただいたマネジメント契約解消の撤回についても、再度検討せざるを得ない状況」と不信感をあらわにした。

吉本関係者は言う。「(宮迫サイドに)話し合いを呼び掛けていますが実現していません。契約解消の撤回の前に、まず新たな疑惑を100%晴らすためにも、しっかりとヒアリングさせてほしいと思っています」と説明。第3、第4の不祥事、疑惑が出てこないかを懸念しているのが実情だ。

吉本サイドにしてみれば、岡本社長が涙で「戻ってきていただけるなら」と、宮迫との和解、復帰へ向けた地ならしを検討してきたが、一向に話し合いに応じないことで、シビレを切らした格好だ。この日の声明は、両者の溝が依然として深く、会社の対応も迷走していることを示していた。【小谷野俊哉】