上田慎一郎監督(35)の映画「スペシャルアクターズ」の舞台あいさつが17日、都内の池袋シネマ・ロサで行われた。公開1カ月で初めて満席となった客席を見たキャストは、感激の涙を流した。

普段は会社員で、演技未経験ながらオーディションに合格した津上理奈は、公開からの1カ月で、30日間も池袋シネマ・ロサに通い、映画を普及する活動を行ってきた。その日々を思い出したのか、壇上では涙が止まらなかった。「ずっとロサに通っていて、満席を見たかったので、すごくうれしいです。泣きすぎですよね。明日からも頑張ります」と言い、また涙した。

広瀬圭祐は昨年、オーディションに受からなかったら役者を辞める覚悟だったが、合格し「スペアク」に出演できた。壇上で、そのことを振り返り「役者を辞めようと思っていて、合格して去年の今ごろ『自分は笑っている』と言ったけれど、こんな経験は出来るとは思わなかった。みんなで頑張るのって、いいですね。満席の劇場で話が出来ることは一生に何度か、あるかないか分からない」と言い、男泣きした。

山下一世は「毎日(観客の)お見送りに来て、やっと満席になったなという気持ちが強くて。これから…まだまだ終わらない。無名でも、やれるというところを見せたい」と意気込んだ。その上で「僕自身、もっと無名の役者を発掘したくて、役者をやめてキャスティングの仕事をやりたいんですよ! もし、何かいい話があったら紹介して下さい」と裏方への転職希望をアピールした。【村上幸将】